リフォームはいつ頃すべき?築年数の目安と理由
最終更新 : 2024.07.16
どんなに大事なマイホームでも、衰えが見えてくるとリフォームをいつすべきか考えることはありませんか?
建物も人の手で作られたものである以上、築年数とともに傷みがきます。
このときに修繕の必要が出てくるのがリフォームのタイミングです。
リフォームに明確な時期はありません。
ですが、建物としての状態は築年数である程度の予測がつきます。そこから大体のリフォームの目安を引き出すことができるのです。
築年数とリフォームの関係
築年数が進むと建物は老朽化していきます。どんな建物でも避けられません。
そこで、築年数に対する建物の傷み具合とリフォームの内容を照らし合わせてみると、リフォーム検討時期の目安になります。
築年数5年~
屋根や外壁の汚れや色落ちが出てくる時期です。
見た目に大きな違いは感じませんが、少しずつ劣化してきています。傷もわかる時期ですので、気になるところがあれば点検してみるといいでしょう。
内装でみると、クロスに生活の跡がわかるようになってきます。
くすみなども出てくるので、クリーニングやクロスの交換を視野に入れておくといい時期です。大規模なリフォームの必要はありません。
築年数10年~
屋根や外壁の劣化が目立ち始める時期に入ってきます。
屋根に傷みが出てくると、雨漏りにつながることもあるので要注意です。
この先の劣化を考慮すれば、早めに修繕や塗り替えを考えておけば安心して過ごせます。
また、この時期からリフォームに関する費用負担が大きくなるのも見逃せません。
家の設備がいきなり壊れることはあまりないとしても、最初に設置したものは劣化を感じ始める時期です。修理よりも新品交換が基本になります。
外壁塗装も、塗料によっては目で見ても劣化を感じる時期に入ります。
早めに塗り替えをすれば構造的な傷みも避けられるので、定期的な点検を考えておく方が安心です。
築年数20年~
これまで使ってきた設備はかなり傷みが目立ち始める時期です。
部品も手に入りにくくなり、交換しなければ使えないものも出てくるでしょう。
性能にかなりの差が目立つため、省エネも踏まえて最新設備への交換も視野に入れておくといい時期です。
水回りも寿命を迎えることが多く、外壁や屋根のメンテナンスも含めるとかなりの出費になります。
できるだけ早めに点検して、外壁や屋根の塗り替えもしておくことが負担の軽減につながります。
外壁塗装の塗り替えの目安
外壁塗装の塗り替えは、素材によっても時期に違いが出てきます。
築年数に対する目安となるので、注意点とともに覚えておくといいでしょう。
窯業系サイディング | 約7年~ | コストパフォーマンスに優れることから圧倒的なシェアを持つ コーキングの劣化がメンテナンスの時期 |
金属系サイディング | 約10年~ | メンテナンス周期が長い 金属なのでひび割れや凍結の心配が少ない コーキングの劣化のほか、白さびなどの変化がサイン |
木質系サイディング | 約10年~ | 断熱性が高いが腐食や変色が出てきやすい 薄いが染み込みやすいため、外壁塗装の塗膜の劣化がわかる前に定期的塗り替えが必要 |
樹脂系サイディング | 約10年~ | 寒さ耐性や耐酸性が高いが耐火性能がない |
モルタル | 約8年~ | 価格が安くデザイン重視で作りやすい 耐久性は30年以上 セメント系として乾燥ひび割れなどの弱点があるため、定期的な塗膜の耐久性の検査とともに塗り替えが必須 |
ALCボード | 約10年~ | 防水性がないことから、コーキングが劣化すると耐久性が大幅に落ちる 外壁塗装の塗膜とともに、コーキングのメンテナンスが必要 |
外壁周りのリフォーム時期の目安とポイント
リフォームの時期を示す変化はいくつもあります。この変化を見逃さないことが、リフォームの目安につながるのです。
また、外壁周りのリフォームは一度に大きな費用がかかります。
信頼できる業者を見つける事前準備にもつながりますので、変化を見逃さないことが大切です。
チョーキング
外壁塗装に手を置いたときに、白い粉が付いた覚えはありませんか?これをチョーキング現象と呼んでいます。
外壁塗装の劣化の代表的なサインで、とても分かりやすい現象です。
このチョーキングが現れてくる理由は、外壁塗装に使われている素材にあります。
塗装に使われる塗料には、主に樹脂や顔料を混ぜてあります。はじめのうちは、樹脂が高い結合力を持っているため、触ってもなにも変化がありません。
ところが時間とともに劣化していきます。雨風だけではなく、日光に含まれている紫外線も結合力を劣化させる原因となります。
劣化が進むと結合力も弱まり、内部の成分を保持できなくなります。
そして、樹脂とともに含まれていた顔料が表面で付着して発生するのが、チョーキングの正体です。
つまり、チョーキングが現れてくるのは、外壁塗装の劣化が根底にあります。外壁自体も守れなくなるので、分かりやすいサインですね。
この場合の劣化は外的要因が主なものです。
外壁塗装は外的要因から建物を守る意味がある以上、劣化を避けることができません。
もし外壁塗装がなければ、外的要因を構造部分が直接受け建物自体が劣化する要因を作るからです。
目安としては、塗装してから約10年ほどでチョーキング現象が見られるようになります。
関連記事:こんな症状が出たら要チェック!チョーキング現象とはどんなことか徹底解説
光沢の低下
外壁塗装は、塗装が完了した時点が最も光沢がある時期です。
光沢は月日とともに変化し、やがて全く光沢を感じなくなります。つまり、時間とともに変化する光沢は劣化のサインになるでしょう。
光沢の低下は、分かりやすそうに見えて実はそう簡単ではありません。
なぜなら、光沢が低下してきても、その場では判断しにくいからです。
築年数を重ねていくと、光沢が失わることは誰にでもわかります。でも比較対象がないと、今の状態の判断が付きません。
ただ現状を見ただけでは分かりにくいので、新築時の写真と見比べてみるといいでしょう。
そうすることで現状との違いがわかるため、光沢の低下に気がつきやすくなります。
また、近くのお家と比べてみるのも有効です。
外壁塗装の状態も客観的に判断できるからこそ、目安になるのです。光沢とは相対的な変化です。
もともと光沢の低下した外壁塗装を見たら、そういうものだと感じるかもしれません。ですが、本来の光沢と比較すると低下していることがわかるのです。
なにか違いを感じたら、原因がはっきりとわからなくても専門業者に点検をお願いするといいでしょう。
外壁塗装に使われている塗料は接着剤です。
接着剤というとプラモデルに使うようなものや、木工接着剤などを思い浮かべるかもしれません。
実は塗料も接着剤と根本的なところは同じで、基材となる外壁にぴったりとくっつき、守るのが外壁塗装の役割のひとつです。
もし外壁塗装を見たときに、ぷよぷよとしているようなところがあれば、これは塗膜が浮いています。
外的要因により接着効果が失われ、浮き上がった状態と考えると分かりやすいでしょう。
実際に触ってみてもすぐに違和感を覚える状態です。塗膜が浮き上がる状態までには、10年程度かかります。
ところが、わずか数年で浮き上がることもあるのです。これは施工不良が考えられます。
外壁塗装はそれだけ先を見越した丁寧な施工が必要とされるのです。 この状態も点検ですぐにわかります。
信頼できる専門業者に見てもらうことで、状況の判断が付きますので、無料で依頼してみるといいでしょう。
関連記事:外壁塗装しないとどうなる?この症状はほっておいても大丈夫かを判断
外壁基材が露出する
外壁基材とは構造的に使われている壁のことです。
外壁基材を守るために外壁塗装が重要な役割を持っています。
塗装が浮き上がり、やがて割れて剥がれ落ちて基材が露出した状態はかなり危険です。
すでに守れない状態であり、どんどん傷みが進みます。 外壁塗装を塗り替えるなど、大規模なリフォームが必要な時期です。
外壁塗装の役割から考えれば、この状態になる前に塗り替えなければいけません。
一度ケレン作業で塗料をはがし、塗り替えなければいけない状態です。こうなる前に施工してしまう方が出費も少なくて済みます。
外壁基材が劣化する
大規模なリフォームどころか修繕しなければいけない状態です。
補修作業の範囲ではなく、外壁基材の交換などもしなければいけない状態で、かなりの出費が伴います。
例えば基材からサビが発生し、塗料が浮き上がっている状態は、すでに限界です。
見えている部分以上に劣化は進んでいるため、相当な範囲で工事しなければいけません。
すでに目安となるような状態ではないので、こうなる前にリフォームしましょう。
まとめ
外壁塗装は快適に過ごせるための大事な盾です。
劣化が進むと守れなくなり、リフォームにもかなりの費用をかけなければいけません。
目安となる点はたくさんありますが、大事なことはなにか異変を感じたらその感覚を信じて早めに点検することです。
劣化が進み、外壁基材などの構造に影響を与えてからでは、リフォームも大々的にやらなければいけなくなるのです。
リフォームの中でも外壁塗装は、家を守り快適な環境を維持するという意味でも重要なポイントです。
目安となる点を確認して、見逃さないようにしていきましょう。