外壁塗装の養生って何?重要な工程を解説します
最終更新 : 2025.03.27

養生をご存じでしょうか?
普段の生活のなかでは、なかなか聞かない言葉ですが、外壁塗装の際にとても重要な役割を持ちます、
養生がうまくいかずに工事を進めると、思わぬ被害を出すかもしれません。
また、仕上がりにも影響を与えることもあります。
本記事では、養生種類や工程などについて解説します。
工事を依頼する場合の見積もりなどを出てくる材料もなるので、参考にしてみてください。

Contents
外壁塗装の養生とは?

養生を一言で言うと「汚れ・傷などを守るもの」です。
たとえば引越しのときに、荷物を移動させる際、余計なところを破損させないように守る保護材を養生と言います。
外壁塗装での養生とは、基本は汚さないよう保護することが中心です。
きれいに塗装して工事を終えるために養生するのです。
塗装の仕上がりを左右する部分にも使用するため、非常に重要性が高い工程といえるでしょう。
ここでは、外壁塗装で養生が必要となる理由について解説します。
塗料の飛散を防止するため
塗料を使って外壁塗装すると、関係のないところに飛散するかもしれません。
風が吹いて広がることもあるでしょう。いつそうなるかわからないですよね。
塗料の缶を置くだけでも汚してまったり、塗装しているときに手をついただけで、どこかを汚す可能性も否定できません。
ほんのちょっとしたことなどでも汚してしまう原因になるのです。
汚す可能性があるなら、先に対策しなければいけません。
可能性があるなら、汚れが付着しないように保護すればいいですよね。それが養生の主な目的につながります。
汚れては困るところは、養生して塗料が付着しないようにします。
対象は塗装する建物だけではなく、隣家も守らなければいけないでしょう。
建物だけではなく、道路や植木なども塗料がついては困ります。周りを歩いている人についても大問題です。
つまり、周囲に対する飛散防止も養生の目的のひとつになります。
きれいに仕上げるため
仕上がりという面では、雨や風に対する対策も養生の目的です。
急に雨が降っても当たらないようにしないと、仕上がりが悪くなります。
必要以上に天候の影響を受けない環境を作るのも養生の目的です。これで作業の効率も上がるわけです。
安全確保も養生の目的に入ります。
施工している人員だけではありません。住んでいる人、隣家の人、たまたま通りかかった人もいるかもしれません。
その人たちが外壁塗装工事をしているなかで怪我をしたり、巻き込んでしまうと大問題です。そうならないようにするのも養生の役割です。
関連記事:外壁塗装の費用相場ってどれくらい?塗装業者選びのポイントと合わせて解説
外壁塗装で養生が必要な個所

外壁塗装を行う際、養生が必要な個所はいくつもあります。
適切な養生ができていないと、塗料の飛散による汚れや仕上がりのムラにつながるため、各箇所をしっかりカバーすることが重要です。
ここでは、特に養生が必要な個所を解説します。
ドア・窓周辺
外壁塗装の際、ドアや窓の周辺には塗料が付着しやすく、適切な養生が欠かせません。
ビニールシートやマスキングテープを使い、塗料が付かないようにしっかりとカバーします。
また、玄関ドアを完全に覆ってしまうと出入りができなくなるため、開閉の必要がある場合は、事前に業者に伝えて調整してもらうことが大切です。
ベランダ・バルコニー
ベランダやバルコニーには手すりや床面があり、塗料が飛散しやすい場所です。
特に床面は塗料が飛び散ってしまうと除去が難しくなるため、ブルーシートやビニールシートを敷いて養生します。
また、ベランダに洗濯物を干すスペースがある場合、工事期間中は使用できないことが多いため、事前にスケジュールを確認しておくと良いでしょう。
室外機
エアコンの室外機は、塗料の飛散を防ぐために養生が必要です。
しかし、完全に覆ってしまうと運転時に熱がこもり、故障の原因となる可能性があります。
そのため、適度に通気を確保できるよう、隙間を作って養生することが重要です。
工事期間中にエアコンを使用する予定がある場合は、業者に伝えておくとよいでしょう。
車
自宅の敷地内に駐車している車は、塗料が飛んで付着する可能性があります。
特に風が強い日は、飛散した塗料が遠くまで飛び、想定外の場所まで汚れることもあります。
そのため、施工期間中は別の場所に駐車するか、車専用のカバーでしっかりと養生することが推奨されます。
郵便受け
郵便受けは、外壁の近くに設置されていることが多いため、塗装の際に汚れてしまう可能性があります。
また、完全に覆ってしまうと郵便物を受け取ることができなくなるため、開閉部分を考慮しながら養生を行うことが大切です。
工事期間中に郵便物の受け取り方法についても確認しておきましょう。
植木・花壇
庭に植えてある植木や花壇も、塗料の飛散によってダメージを受ける可能性があります。
特にデリケートな植物は、塗料が付着すると枯れてしまうこともあります。
そのため、ビニールシートなどでカバーするのが一般的です。
また、施工期間中に水やりができるよう、植物への影響も考慮した養生が求められます。
通路
作業員が使用する通路も、塗料が飛び散るリスクがあります。
特に頻繁に往来がある場所では、靴底に塗料が付着し、施工エリア外に持ち込んでしまう可能性があります。
そのため、ブルーシートを敷いたり、作業スペースを明確に区分するなどの対策が必要です。
道具置き場
塗装作業に使用する道具や塗料を置くスペースも、養生が必要です。
特に屋外に設置する場合は、雨や風の影響を受けにくい場所を選び、ビニールシートやブルーシートでしっかりと覆います。
また、作業効率を上げるために整理整頓を心がけることも大切です。

外壁塗装に使われる養生の種類

外壁塗装では、さまざまな養生材が使われてきました。
それぞれの特性を理解して使う必要が出てきます。
見積もりにも記載されることがある養生材ですので、覚えておいてください。
ビニールシート
もっとも簡単で単純な養生材はビニールシートです。
ブルーシートと呼ばれているものも変わりません。
厚みがあり強度の高いものから、薄く軽量なものまでさまざまです。
大きさも各種販売されており、屋根の緊急防水に使われることもあります。
四つ角に穴があけられており、ロープで固定できるようになっているものが大半です。
ビニールシートは敷いて使うのが基本です。
地面に敷いて塗料置き場などに使うことが多く、片付けるときも簡単にできます。
水を通さないことから、ロープを使って縛り付け、簡易的な屋根にも使われる養生材です。
雨除けや日差し除けにも使えますが、紫外線劣化を受けやすいことから長期間は使えません。
側面に使い簡易的な風よけ、施工面の周辺温度を上げるために使う方法もあります。
非常に便利な養生材ですが、小さな場所や施工面に貼り付けたいときなど、細かく使うのには向いておらず、大きな範囲の養生に適しています。
メッシュシート
基本的に足場の側面にかけて使われる養生材です。
養生シートや飛散防止ネットとも呼ばれます。
メッシュシートは、合成繊維で作られており、紫外線劣化などの経年劣化にも強い素材です。
本来は飛来・落下を防ぐ目的で使われる養生材ですが、外壁の洗浄のときにも利用され、外部に飛び散らないよう守ることも可能です。
塗装時の塗料の飛散も抑えるため、周辺に対する配慮としても重要な役割を持ちます。
音もある程度遮断できるものがありますし、溶接の火花に耐えられる防火シートもあるなど、目的に合わせ作られてきました。
名前にあるようにメッシュ状で、風通しがいいのも特徴です。
足場は風を受けると、崩壊する危険性が高まります。ニュースなどで、足場が風にあおられ崩れるシーンを見たことはありませんか?
原因のひとつは、養生のシートが風を受けてあおられ、足場が耐えられなくなってしまうためです。
このような悲惨な事態を防ぐために、メッシュシートは風通しが良く作られています。
それでも完全に風が通るわけではありません。台風のときや施工しない時間があるときは、シートをたたんでおく必要があるでしょう。
足場に丸めて縛り付けてあるのは、風を通して足場があおられるのを防ぐためです。
メッシュシートを使うことで、足場のなかでどのような工事が行われているかなど、外部に見えないよう、プライバシーの配慮にも使われています。
また、作業員の転落も防止にもメッシュシートが役立ちます。
足場になにもかかっていないと、なにかの拍子に横から転落する可能性があり危険です。
同時に周辺を歩いている人に工事の道具やごみなどが落下し当たるようなリスクも防ぎます。
メッシュシートは法律でも規定があり、視界から5m範囲のなかに7m以上の高さの建物がある場合には、仮囲いしなければいけない条件が決められています。
ですが、絶対に設置しなければいけないのではなく、望ましいというレベルになっています。
安全に配慮した工事会社では、足場を設営したなら必ず使う養生材といってもいいでしょう。
余計なトラブルを起こせば、工事どころではなくなるからです。
マスカー
知らない人がみると、これは便利!となるのがマスカーです。
なにが便利かというと、たたんである養生シートとガムテープが一体になっているものといえばわかりやすいでしょうか。
シートを持ちながらガムテープで止める必要がない、一体構造なのです。
ガムテープの部分を張り付けたのち、シートを引っ張って広げると広範囲に養生できます。
マスカーのシートはポリシートなどで、簡単に裂けるように作られています。
外壁塗装では強い衝撃や力がかかるわけではなく、塗料の付着を防ぐことが養生の大事な目的です。
このマスカーのシートで十分役割を果たせます。ガムテープの部分もはがしやすい粘着力で、始末も簡単にできる仕様です。
1回で2つの工程が簡単にできるマスカーは、複雑な形状の養生でも切り離すことで簡単にできます。
シート部分をうまく使うことで、きれいにマスキングできるからです。
マスカーは、塗装工事以外でもさまざまな工事現場で使われていきました。
汚れが落下しやすい掃除のときなども便利で、簡単に片づけられるため人気の養生材なのです。
外壁塗装の養生はいつまで必要

養生とは現場を清潔にして余計な汚れを付着させないことが主な目的です。
これは足場の設営の段階から始まります。
足場を構築する場合、まず土台となる地面にめり込まないように養生も目的とした板を置きます。
これによって足場を水平に安定させるとともに、施主の土地を余計に傷つけないようにしているのです。
もちろん、上に重量物が乗るため一部ダメージが残りますが、それも最小限にできる処置です。
塗料を置く場所など、作業に入るスペースや道具の一時保管所の養生もします。
次に塗装面の洗浄に入りますが、施工面に水を使って汚れを落とします。
高圧洗浄機を使う場合もありますので、周囲に飛散しないように足場にメッシュシートを巻いて養生するのが基本です。
洗剤を使う場合もありますので、植木などにつかないように養生することもあります。
洗浄が終わったら、次は塗装用の養生の段階です。
余計なところに塗料が付着しないようにブルーシートやマスカーを使って養生します。
窓周り、玄関、車、カーポート、樋など付帯設備などの養生も大切です。
色わけする部分もしっかりと養生し、余計な塗料が飛ばないようにしておきます。
塗装する場合にも、自分たちの足元なども養生し、汚さないことも基本です。
外壁塗装が終わると、塗装用の養生は撤去します。施工の確認が終わり次第、足場や資材を解体撤去し、最終的な養生も片づけ終了です。
このように、養生は施工が始まる段階から終わりまでおこないます。
最終的な引き渡しまで汚さないこと、さらに掃除の手間を減らす目的があります。

外壁塗装の養生中の注意点

外壁塗装の養生中には、いくつかの注意点があります。
事前に確認しておくことで、工事がスムーズに進み、トラブルを防ぐことができます。
開閉したい箇所を伝えておく
養生作業では、ドアや窓が覆われることが多いため、開閉が必要な箇所について事前に業者に伝えておくことが大切です。
玄関や勝手口を完全に覆われると、外出時に不便が生じるため、調整できるよう依頼しておきましょう。
エアコン・換気扇の使用を伝えておく
エアコンの室外機や換気扇が養生されると、通気が制限されてしまいます。
特に夏場や冬場はエアコンが必要不可欠なため、使用したい場合は事前に業者と相談し、適切な方法で養生してもらいましょう。
植物が枯れてしまう可能性
庭やベランダに植物がある場合、ビニールシートなどで養生されることで日光や風が遮られ、枯れてしまう可能性があります。
植物に影響を与えないようにするため、必要に応じて移動させるか、適切な方法で養生を依頼することが重要です。
強風・雨天時の対応
養生シートやメッシュシートは風の影響を受けやすく、強風時に剥がれてしまうことがあります。
特に台風や暴風雨が予想される場合は、事前に業者と対応方法を確認しておくと安心です。
メッシュシートの巻き上げや、追加の固定処理を行うことで、風の影響を最小限に抑えることができます。
外壁塗装の養生にかかる費用

外壁塗装の養生にかかる費用は、使用する養生材の種類や施工面積、作業の難易度によって異なります。
一般的には、1平方メートルあたり300〜500円程度が相場です。
ただし、高所作業が必要な場合や、複雑な形状の建物では追加費用がかかることがあります。
具体的な費用目安は以下の通りです。
- 一般的な戸建住宅(100〜150㎡):約3万円〜7万円
- マンション・アパート(200㎡以上):約10万円〜20万円
養生の種類や工事内容によっても価格が変動するため、見積もりを取る際には詳細な費用を確認することが重要です。
適切な養生が施されているかどうかをチェックし、施工の質にも注目しましょう。

シンニッケンは外壁塗装の養生作業も丁寧に対応!
シンニッケンでは、外壁塗装の養生作業も丁寧に対応しています。
適切な養生が施されていないと、塗装後に仕上がりが悪くなったり、余計な部分に塗料が付着したりするトラブルが発生することがあります。
そのため、シンニッケンでは養生の重要性を理解し、細部までしっかりと対応しています。
シンニッケンではこれまでに25万軒以上にわたる外壁塗装を行ってきました。
外壁塗装で美観を守るだけでなく、安全で快適な住環境を実現するため最適な提案をさせていただきます。
まずはお気軽に無料見積もりからお問い合わせください。

まとめ
養生って言葉だけでもよくわからないことがありますよね。
工事用語という面もあって、一般的な使いかたと違うことも出てきます。
汚さないことだけでなく、きれいな仕上がりにするための養生もあるからです。
養生がしっかりできなければ、外壁塗装会社としては失格といっても過言ではありません。
工事において、養生とはそれだけ重要だからです。
仕事を依頼するときにも、経験のある施工会社であれば、養生の必要性、重要性を理解しています。
汚さないことの意味、資産価値にかかわる部分、安全性の確保まで理解しているからです。
シンニッケンは、これまで多くの物件の外壁塗装を手掛けてきました。養生の重要性は重々承知しています。
仕上がりを高めるだけではなく、徹底した管理もしていますので、まずは無料点検からご依頼ください。