こんな症状が出たら要チェック!チョーキング現象とはどんなことか徹底解説
最終更新 : 2024.07.12
マイホームの外壁を触ってみたら、真っ白な粉がついてきたらどうでしょうか。
なにが起きているの?と考えるのが自然です。
家の壁に白い粉がついているなんて、だれも思いはしません。
マイホームの外壁は塗装してあります。外壁塗装と呼ばれますが、さまざまな要因から守ってくれる存在です。
その「外壁塗装の効力弱まっている」と大事なサインを出しているのがチョーキング現象と呼ばれる白い粉だとしたら、見逃してはいけないでしょう。
チョーキング現象とはいったいなにを表しているのか、発生理由やそのままにするとなにが起こるのか解説していきます。
Contents
チョーキング現象と外壁
そもそもチョーキング現象とはなんでしょうか。
なぜ外壁に白い粉が浮き上がるか不思議に思いませんか?どこからやってきたのかもわからない謎の粉。
ですが、実は手品でもなんでもありません。
いうなれば、外壁塗装が悲鳴を上げてきた状態だからです。
チョーキング現象ってなに?
チョーキング現象とは、白亜化現象と呼ばれる状態です。
これではなにを意味しているかわかりませんよね。
外壁についている白い粉は、実は塗料に含まれている樹脂が分解されて、顔料が粉になって表れたものです。
これだけではなにが問題なのかわからないでしょう。
しかし、外壁塗装の構造を考えると、実に大きな問題があるのがわかります。
外壁塗装は太陽光を直接浴びます。外壁材などを守るための一番外側の防御壁になってくれるわけです。
この外壁塗装は樹脂でできています。塗料というと色がついているだけと思うかもしれませんが、樹脂の中に色の元である顔料を入れて、樹脂で固めているのです。
正確にはもっと細かな構造がありますが、ざっとこのようなものだと思ってください。
樹脂で顔料を覆っているわけですが、紫外線はさまざまなものを劣化させる力のある光線です。
非常に強い熱量を持っており、日焼けや皮膚がんの元になる場合があることで知られています。
この紫外線は外壁塗装の樹脂を徐々に分解するのがポイントです。
だんだんと表面から分解されていく外壁塗料は、やがて顔料を守りきれなくなります。
顔料もやがて粉状になり、白く浮き上がってくるのです。
これがチョーキング現象の正体ですが、樹脂が分解されている点に注目してみましょう。
チョーキング現象を放置していたらどうなる?
チョーキング現象によって、外壁塗装に含まれる樹脂は分解されていきます。
本来必要としていた膜厚は、どんどん薄くなるわけです。
膜厚が薄くなるとどうなるでしょうか。やがて外壁塗装としての効果はなくなり、外壁材が露出します。
露出すると、外からの刺激にさらされることになるでしょう。ここが大きな問題です。
一般住宅の外壁材の大半は、防水性を持ちません。雨水に対しての抵抗力が低いのです。
外壁塗装が劣化した状態で風雨にさらされると、今度は外壁材が劣化します。
雨水の侵入を許し、内部で湿度が上昇、カビや雨漏りにもつながるのです。
つまり、生活環境を脅かされる事態となります。
さらに外壁材が劣化し、傷んで補修するとしましょう。外壁塗装とは比べられないほどの金額が必要になります。
躯体構造部材にもダメージが及べば、家自体が住めないものになる可能性さえ出てくるのです。
チョーキング現象が見られたからといって、いきなり外壁塗装がダメになるわけではありません。
しかし、劣化が進んできているサインとして、見逃すことはできないでしょう。
チョーキング現象はなぜ起こるのか
チョーキング現象は、紫外線劣化が主な原因です。
しかし、太陽光を避けることはできません。
もとより、太陽光に対する室内など生活環境への影響を下げるために、外壁塗装があるからです。
ここからわかるのは、経年劣化という避けられない事実があります。時間とともに外壁塗装は守る力を失っていくということです。
樹脂は紫外線を受けると、水素原子のつながりが切断されます。
これによって内部にラジカルという成分を生み出すのです。このラジカルが非常に大きな問題を抱えていて、空気中の酸素と結びつきやすい性質を持っています。
酸素と結びつくと、ペルオキシラジカルという物質に変わるのです。
これが次に樹脂の水素原子を抜き取り、ラジカルを作り出すとともに、ヒドロペルオキシドという新たな物質を生み出します。
これが樹脂の劣化をさらに早める構造なのです。
少し難しい単語もでてきましたが、要は、一度ラジカルの発生が始まれば、次々に連鎖します。
特に気温の高い環境では、反応を加速させやすいことから変化が生じやすいといえるでしょう。
関連記事:外壁塗装しないとどうなる?この症状はほっておいても大丈夫かを判断
チョーキング現象の確認方法
チョーキング現象を知ると、あなたの家でもすでにチョーキング現象が起こっているのではないかと心配になりますよね。
実際に確認方法を見ていきましょう。
触ってみる
チョーキング現象の確認で大事なことは、触ってみることです。
実際に触ってみると、白い粉が手につきます。外壁塗装面の厚みは非常に薄く、目で見ても変化が分かりませんが、チョーキング現象が起きてくると薄くなっている状態です。
問題は手につく白い粉の程度にあります。
うっすらと手につく程度なら、まだ軽症です。この程度なら、まだ塗り替えの必要はありませんが、次の段階に入る意識はしておいたほうがいいでしょう。
びっしりと白い粉がつくのなら、相当劣化が進んでいます。
樹脂が相当分解されている状況で、大量の顔料が露出しているからです。
触った手が真っ白になるほど付着するなら、早めに外壁塗装を考えたほうがいいでしょう。
チョーキング現象が起こっている面を濡らしてみます。軽く水をかけるだけでも、色が変わったと感じたら、外壁塗装はかなり悪化している状態です。
外壁塗装は水を寄せ付けない樹脂でできているため、水をはじきます。
この効果が失われ始めており、内部の顔料が水分を含むからこそ色が変わって見えるのです。それだけ劣化が進んでおり、寿命が近いと考えていいでしょう。
確認場所
チョーキング現象が太陽光と関係する以上、どこを確認するかで違いが出てきます。基本は日当たりのいい場所です。
紫外線の影響を受けやすいところを調べることで、外壁塗装の劣化状態がわかります。
周辺環境でも違いますが、1階南面は日当たりがいい場所になるでしょう。
そのなかでもよく日に当たる場所で確認するのは基本です。
2階で見ると、西日が当たりやすい場所があります。
長時間にわたって日に当たることになるため、劣化が進みやすいのです。
バルコニーは屋根がないことが多いため劣化が進みます。
こうした場所から確認をはじめ、全体的にみるといいでしょう。比較することで劣化の進行具合が見えてくるからです。
モルタル外壁の場合
外壁材がモルタルの場合、チョーキング現象が進むと白い粉がつくことには変わりがありませんが、色がかなり変化しているのに気が付くはずです。
モルタル外壁の色合いが影響してくるため、明らかに退色している状態がわかります。
モルタル外壁は、下地があったとしてもグレーがかった色です。つやがなく、暗い色合いになってきたのなら、劣化が相当進んでいると判断できます。
関連記事:モルタル外壁のひび割れとは?~起こる原因から補修方法まで~
窯業系サイディングの場合
窯業系サイディングの場合には、モルタル外壁よりも退色が激しく表れるといわれています。
塗料の種類などにもよりますが、明らかに色味に違いがあると感じたら、塗り替えの時期が来ていると思っていいでしょう。
窯業系サイディングは、水を吸い込んでしまいます。
外壁塗装がなくなれば、守る存在を失うため、早めに再塗装することが大切です。
金属性サイディングの場合
金属サイディングは、熱の伝道が早く、色によって違いが出てきます。
特に早く劣化するといわれているのは白の系統で、黒くなればなるほど起こりにくいといわれてきました。
ただし、ほかの外壁材に比べて退色が見られにくく、見た目の判断は容易ではありません。
チョーキング現象と劣化の度合い
チョーキング現象は、外壁塗装の劣化を示すサインです。ほかにもさまざまなサインがあり、劣化の度合いを判断できます。
チョーキング現象が起こったときには、併せて判断していきましょう。
つやがなくなる
外壁塗装を見たとき、つやがないと感じたら劣化が進んでいる証拠です。
チョーキング現象が起こり始めている状態は、塗料の樹脂が分解され顔料が粉状に露出しています。
つまり、表面部分から分解されている状態です。これが外壁塗装のつやを失わせています。
はっきりとしたチョーキング現象が見られなくても、劣化が進んでいるのを忘れてはいけません。
変色
外壁塗装の変色にはいくつかの理由があります。チョーキング現象が起こり内部の顔料が分解されたことで、色に変化が出るのが基本です。
劣化とともに顔料自体が変質して色が変わることもあります。
塗装面が薄くなり、外壁自体の色の影響を受けると変色が見られますが、これも外壁塗装が薄くなった影響です。
光加減によって色むらを感じることもあります。顔料の分解の進み方が違うため、色むらが出てくるのです。
チョーキング現象とともに現れてくる段階で、変色したときには注意しなければいけません。
顔料への影響が大きいことは、外壁塗装面が薄くなっているため、早めの塗り替えが必要です。
チョーキング現象の発生
実際にチョーキング現象が発生してくると、防水性能も失われていきます。
カビやコケの発生なども見られるようになり、外壁の汚れも流れ落ちていきません。
つやがなくなるのと同様に、表面の平滑面が失われたためで、汚れがつきやすくなるからです。
顕著な影響がみられるときには、再塗装のタイミングに近づいていると判断できます。
塗装面のひび割れ
塗装面にひび割れが見られる状態は、外壁塗装としての機能を失っています。
チョーキング現象から塗装面が薄くなり、小さな力でもひび割れが起こるからです。
ほかにも原因がありますが、樹脂の強度不足であることに違いはありません。
ひび割れが起こると、外壁材が露出します。雨水の浸透を許すことで劣化が進む状況です。
劣化が進むことから、早めに再塗装などを施さないと、もっと大きな出費になる可能性があります。
塗装面の剥がれ
塗装面が外壁材から剥がれだしている状況は、付着力もなくなったことを現します。
外壁塗装の塗料は、基本的な部分は接着剤と変わりません。使用目的など違いがあり組成に違いがあるものの、似た材料と思っていいでしょう。
その外壁塗料が剥がれるということは、接着能力が失われています。
外壁材と付着しておらず、別々の状態です。
別々の存在となったことで外壁塗装としての役割は終えていることからも、塗り替えしなければ外壁材が持ちません。
かなり危機的状況です。
チョーキング現象が起こりやすい原因
チョーキング現象は、劣化を表すサインですが、すべての面で同じように進むわけではありません。
立地条件などにも左右されるため、起こりやすい原因はなにかを知ると、今後の外壁塗料の選択にもつながります。
紫外線が当たりやすい
劣化の原因につながるのが紫外線です。
立地条件として考えてみましょう。周りに障害物がなく、日当たりのいい条件を持っている建物は、どうしても紫外線を浴び、チョーキング現象が出やすくなります。
紫外線は直接あたるだけではありません。近くに穏やかな水面があり、光が反射しやすい条件なども紫外線が当たりやすいといえます。
塗料の寿命が短い
そもそもの問題ですが、紫外線などの影響を受けて劣化が進みやすい塗料なら、早い段階でチョーキング現象が起こります。
塗料としての耐久性であり、寿命が短い塗料は早く劣化するからです。
現在はほとんど使われなくなったアクリル塗料などは、かなり寿命が短いことで知られています。
製品開発が進み、ライフサイクルはどんどん伸びてきていることを考えれば、長期的な視野で塗料を選ぶべきでしょう。
塩害
塩分による影響は、さまざまな内容に発展します。
特に沿岸部では、空気中や雨水のなかに塩分を含みやすい環境です。
塩害の代表的なものは、金属に表れるさびがあります。
金属を侵食する塩害は、さびとともに体積を膨張させ、外壁塗料も押し出すのです。
強度も低下し、押し出された面は付着力がなくなり役割を果たせなくなります。
塩害の影響は金属だけではありません。外壁塗料自身の劣化も早めることになります。
変質させる条件のひとつでもあり、劣化してチョーキング現象が発生しやすくなるのです。
塩害の発生しやすい地域は、内部にも影響を及ぼしやすくなります。
定期的に外壁を洗浄するなど、長時間にわたって塩分が付着しないようなメンテナンスが必要です。
施工不良
施工不良があれば、チョーキング現象が発生しやすくなります。
あってはならないことですが、可能性はゼロではありません。
手順の間違えや下地処理が甘かった場合、天候不良などの影響もあります。塗料の選定の段階から間違っていたというケースまで考えられるのです。
いきなりチョーキングがあらわれるようなことは少ないですが、耐用年数から見てもあまりに短い期間で現れてきたのなら、施工不良の可能性が出てきます。
チョーキング現象のメンテナンスと再塗装のポイント
チョーキング現象が発生したのちには、メンテナンス方法と再塗装を考えなければいけません。
再塗装に至るまで、どのような方法をとらなければいけないかを見ていきましょう。
洗浄
チョーキング現象は表面に粉状に残ります。このまま再塗装しても、粉が付着したままでは再塗装しても異物を挟むことになるのです。
粉状の顔料は塗装面と接着しているわけではありません。完全に別に分かれています。
その上から塗料を塗っても、一体化せずに剥がれ落ちることになるのです。
これではいくら新しい塗料を使っても効果がなくなるため、きれいに洗浄する必要が出てきます。
洗浄の基本は高圧洗浄機を使う方法です。
水に圧力をかけて噴射しチョーキング現象でできた粉を落とし乾燥させれば心配はいりません。
ただし、外壁材の種類などによっては、高圧洗浄機を使わない場合もあります。
こすり落とすことでダメージを広げる素材もあるため注意が必要です。
シンニッケンのような専門業者であれば安心してお任せいただけます。
下処理
最も大事なことは下処理です。外壁塗装の前段階として、下処理をすることです。
下処理がうまくいっていないと、上塗り部分が仕上がりません。
下処理もいろいろな方法がありますが、脆弱な部分があれば取り除きます。
凹凸など不陸調整を行い、プライマーなどの下塗り塗料を使う方法が一般的です。ここに技術が影響します。
下処理をうまくしておかないと、仕上がりに大きな差ができるからです。
専門業者に任せておけば、確実な方法を選択するでしょう。
これも経験が物を言うため、シンニッケンのような実績があるところが確実なのです。
関連記事:外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果
まとめ
外壁を触ったとき、チョーキング現象が見られたら、なんか変だなと思うはずです。
手にべっとりとつく白い粉。異変以外のなにものでもないわけです。
大事なのは、この状況を正確に判断し、次の対策につなげることにあります。
チョーキング現象は、外壁塗装がダメージを受けて発生しているのがポイントです。
軽微な場合でも、再塗装が必要な時期が迫っていることを示しているため、準備を始めるといいでしょう。
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