外壁塗装の費用相場ってどれくらい?塗装業者選びのポイントと合わせて解説
最終更新 : 2024.08.23
外壁塗装の費用相場がわからず、劣化が進んでいるのに補修をためらっている方も多いのではないでしょうか?
一体外壁塗装にいくらかかるのかも想像がしにくく、相場もつかみにくいことや、塗装業者を選ぶ基準などわからないことが多くあるからです。
本記事では、外壁塗装の相場や見積書の内訳の見方、業者選びのポイントなどについて解説しています。
外壁塗装の相場
外壁塗装はだいたいの相場があります。
概算的なものであり、諸条件によって変わりますが、基礎知識として押さえておきましょう。
坪数(延坪) | 延床面積 ㎡ | 塗装面積 ㎡ | 費用相場 万円 |
---|---|---|---|
20 | 66 | 73~112 | 40~90 |
30 | 99 | 109~168 | 60~100 |
40 | 132 | 145~224 | 80~130 |
50 | 165 | 182~281 | 100~160 |
60 | 198 | 218~337 | 120~200 |
塗装面積は、延床面積に対し1.1~1.7で計算
同じ坪数でも形状により塗装面積が1/3程変動
だいたいの相場となりますが、費用にかなり幅があることがわかるでしょう。これにはさまざまな理由があります。
外壁塗装の費用は、以下の要素によって大きく変動します。
- 塗料の種類
塗料の違いが単価に直接影響します。 - 外壁の劣化具合
劣化が進んでいるほど、工程や工数が増加し、費用が高くなります。 - 建物の形状や立地条件
足場を組み立てる難易度や必要な人数により、費用が異なります。
根本的な部分として、塗装面積によっても費用に差が出てきます。建物それぞれで形状に違いがあり、面積にも差があるからです。
相場も延床面積から割り出していることから違いが出てくるといえるでしょう。
このように諸条件によってかなり差が出るため、費用相場も影響を受けて差が出ます。
そのため、見積もりを取る際には、諸条件をしっかり確認、納得できる内容かどうかを慎重に判断しましょう。
関連記事:見積もりの内容や立ち会い時期もわかる!外壁塗装の工程
外壁塗装の見積もりの内訳
外壁塗装の見積もりに書かれている費用の内訳を分解すると、主に以下の4つに分けられます。
- 塗料代
- 人件費
- 足場代
- 利益
この内訳を理解するのが、相場を見分けるポイントです。
内訳の比率は塗料代2:人件費3:足場代2と考えれば分かりやすいでしょう。
もちろん、どのような工事内容かで各項目は変動するので、常にこの比率というわけではありませんが、だいたいの見分けるポイントとして理解しておくと分かりやすくなります。
塗料
外壁塗装の大事なポイントなのが、塗料の相場です。
どれを選ぶかによって耐用年数にも差があり、安ければいいというわけではありません。
長期的なライフサイクルも踏まえて計算することが大切です。
アクリル塗料
アクリル樹脂を主成分としています。
比重としては軽量で、ほかの塗料よりも格安ですが、安い代わりに耐用年数が短く3~8年といわれています。
ほかの塗料と比較するとライフサイクルがかなり短いため、外壁塗装のメンテナンスとして使うメリットがあまりありません。
ウレタン塗料
密着性に優れている特徴を持っている塗料です。主成分はウレタン樹脂で弾性力を持っています。
外壁が複雑な形状になると、風や地震、日当たりなどの条件で伸び縮みし塗料が割れるケースがあります。
このような状況でも対応しやすいのがウレタン塗料です。密着しやすいのではがれにくいことからも、メンテナンスに利用されるケースがあります。
耐用年数は5~10年で、アクリル塗料より1.5倍近い値段です。
シリコン塗料
シリコン樹脂を主成分としており、外壁塗装の主流とされている塗料で、細かな種類とグレードが存在しています。
水性1液・溶剤1液・溶剤2液が主な分類で、溶剤2液の方がグレードは上です。
グレードが高くなる分だけ費用も高くなりますが、耐久性も向上します。
費用はウレタンよりもさらに高くなるものの、耐用年数は7~15年となるため、コストパフォーマンスに優れている塗料です。
耐水性が高いところも注目しておくといいでしょう。
ラジカル制御型塗料
樹脂に特殊な酸化チタンを使った塗料です。
ラジカルは、塗料の劣化を引き起こす原因で、外壁の表面に白い粉が発生するチョーキング現象を引き起こします。
この劣化を抑えられることが期待できる塗料として使われるようになりました。
非常に高い対候性を持つ高機能な塗料として期待されていますが、まだまだ新しい技術でそこまで種類が多くありません。
さらに酸化チタンが白色顔料であるため、濃い色が作り出せないといった問題もあります。
費用はアクリルの倍以上となりますが、耐用年数は10~13年とコストパフォーマンスはかなり優れた塗料です。
フッ素塗料
フッ素樹脂を主成分とした塗料で耐久性も対抗性も優れています。
大型建築物で使われるケースが多い塗料で、一般住宅での使用も増えてきました。
耐用年数がほかの塗料と比較しても長いことから、メンテナンスに用いるとライフサイクルからも塗り替え頻度が下がります。
1回にかかる費用は高くても長期的にみるとメリットが出てくるタイプといえるでしょう。
光沢も長持ちし、耐熱性に優れていることから外壁本体の劣化も防ぎやすくなります。
しかし、費用はシリコン塗料の1.5倍ぐらいで弾性力が低いこともデメリットです。
この辺りはメリットに対する表裏一体の部分で、ひび割れを防ぐ処置を徹底するなど工数もかかります。
工事代・人件費
工事代として置き換えられますが、以下に大きく分類できます。
- 飛散防止
- 洗浄
- 養生
- 施工
計算方法は、㎡で算出する場合と人工として施工に掛かる人数で表す場合があります。
足場代
安全かつ素早く作業するためには、外壁の周囲に足場を組まなければいけません。
建物から少し離れた位置に組みますが、高さが増えると単価が上がります。
さらに組み立てる場所によっても単価が変わる点に注意が必要です。
㎡数を算出し、単価を掛けて計算します。
一般的に㎡数の割り出しは(外周+8m)×高さで割り出します。
8mは外壁から離す距離として計算します。
この㎡数に対し、600~1200円あたりが足場の相場単価です。
外壁塗装の相場と業者選びのポイント
相場が読めるようになると、業者選びのポイントも見えてきます。
さまざまな条件がありますが、しっかりと解説するので確認していくといいでしょう。
値引きの大きさ
相場がわかると見積もりの内訳も理解できるようになっていきます。
そこで必ず出てくるのが値引きです。
値引きにもいろいろな考え方があり、単純に端数を値引きするケースもあれば、競争として値引きする場合があります。
だからこそ、あまりに大きな値引きには注意しなければいけません。
あまりに大きく値引きすると利益も喪失します。赤字になれば、経営も工事もできなくなるのです。
そうなると、あとから追加料金を請求するなどといった方法をとらなければいけない状況も出てきます。
もっとひどい場合には、一部工程を省いており、仕上がりに問題が出てくるケースも考えられます。
相場とは施工に必要な金額とも言い換えることができるでしょう。
あまりに相場から外れている場合にも、その業者には注意が必要です。
過去の実績の確認
間違いない施工をしてもらうためには、過去の実績が重要です。
選ぼうとしている業者がもしかしたら、新しい企業かもしれません。
しかし、できれば経験がある方がどのような結果を導き出してくれるか分かりやすくなり安心できるでしょう。
失敗するリスクも軽減できるため、過去の実績の確認は必須条件です。
できれば、客観的な評価も調べておくと判断しやすくなります。
次に実績のある会社を選ぶための簡単な確認方法を3つご紹介します。
1.会社の設立年数を見る
会社として設立され、実績の長い大手企業であれば信頼性が高いと判断できます。
注意点として、創業ではなく設立を見ることです。
創業では実績の無い空白の期間があったり、別事業での創業も含まれてしまいます。
2.信販会社と取引している会社
信販会社と取引をしていない会社は実績が無い、少ない会社である可能性が高いと推測できます。
もしくは過去に何かしら信販会社と取引できないような信頼関係に関わる過ちを犯している可能性も考えられます。
信販会社と取引できている会社を選ぶのもリスク回避の一つです。
3.フランチャイズには要注意
フランチャイズ展開している企業にも注意しましょう。
良くあるパターンでは、フランチャイズ展開している企業に塗料だけを卸ているパターン。
肝心の技術はフランチャイズ先に任されるため、良い技術者とスキルの無い技術者での差が大きいこともしばしば。
ただし、直営でのフランチャイズであれば技術的な教育を受けていることがほとんどなので、問題ないと考えてよいでしょう。
過去の実績を十分確認して業者を選ぶことが大切です。
大手企業で安心を選ぶ
例えば、テレビを買い替えるときはどこで購入しますか?おそらく大半の方が有名な大型電気量販店で購入すると思います。
理由は大きく分けて2つ。
- 同じ商品でも安く買えることと
- アフターフォローも万全で安心だから
外壁塗装も同じです。大手企業は塗料などを大量に仕入れるため、より良いものを安く抑えることができます 。
また、ブランドイメージを損なわないためにも信頼を重んじるので、顧客重視で仕上がりにも責任を持ってくれます。
地元密着といえども、実績が少ない企業には注意が必要です。
20年保証などを付けてもらっても、20年後にその会社が存続しているかは不明です。
さらに悪質な業者は契約時に保証をつけたのに飛んでしまうということもあります。
外壁塗装業界は企業の入れ替わりが激しい業界です。
費用面、安心面でも、実績が多く、設立年数の長い大手企業を選ぶことがリスク軽減になります。
関連記事:外壁塗装で悪徳業者を見分けられる?後悔しないための知識まとめ
外壁塗装の依頼の際にメリットになるコツ
外壁塗装を依頼する業者とともに、押さえておきたいコツがあります。
こうしたポイントを丁寧に説明してくれる業者を見つけるのも大切です。
助成金と補助金
地域によっては、自治体が助成金や補助金を用意している場合があります。これらは地域によって違いがあり、条件もさまざまです。
「省エネ住宅改修補助金」「住宅リフォーム資金助成」といったところが代表的ですが、知らない場合も多いでしょう。
大手企業や顧客重視で情報を集めている業者は、さまざまな情報を把握しています。
申請の方法なども事前に指導してくれるところは良心的です。
さらに申請自体を無料で代行してくれる業者もあるので、ぜひ相談してみてください。
関連記事:外壁塗装は助成金や補助金は使える?助成金・補助金の調べ方、申請方法
火災保険
もしも、台風など自然災害で被害を受けて外壁を塗装しなければいけない場合、火災保険が適用される場合もあります。
ただし、被害認定などの問題があるので確認が必要です。
火災保険についても助成金同様、無料で代行している業者もあるので相談してみるのも一つです。
まとめ
外壁塗装の相場を知ることは、業者の選定にもつながります。
ほかにも工法の選定や屋根の塗装も含めるかなどの判断もあり、条件はもっと多岐にわたりますが、基本的な部分がわかれば交渉もしやすくなるものです。
外壁塗装は建物を守るためにも重要な意味を持ちます。
建築物を雨や風などから守る盾の役割も持つため、相場を理解してしっかりとした技術と実績をもつ業者を選んでいきましょう。