外壁の再塗装まで前回から10年ではまだ早い?検討すべき最適なタイミングとは
最終更新 : 2024.11.05
住宅の外壁は定期的なメンテナンスが必要ですが、再塗装のタイミングについて「10年は早い」といった意見を目にすることもあります。
しかし、これは正しい情報なのか、根拠や理由を知りたいと考える方も多いでしょう。
そこで本記事では、外壁の再塗装を検討すべきタイミングについて詳しくご紹介します。
Contents
外壁の再塗装まで10年はまだ早い?
住宅の外壁は時間の経過とともに劣化してくるため、定期的な塗り替えが必要です。
インターネットなどで再塗装のタイミングを調べてみると、「10年は早い」といった意見や口コミを目にすることも少なくありません。
しかし、結論としては、外壁塗装が劣化する要因にはさまざまなものがあるため、一概に正しい、あるいは間違っていると断定することは難しいのです。
外壁の再塗装まで「10年は早い」と言われる理由
かつては、一部の塗料の耐久年数が10年程度と設定されていることや、10という数字がキリが良いため、塗装業者の営業は「前回の塗装(または新築)から10年経っているので、そろそろ再塗装を考えた方が良いかもしれないですね」などのトークをするケースも少なくありませんでした。
では、なぜ外壁塗装のタイミングとして「10年は早い」という言説が囁かれるようになったのでしょうか。
その背景には、技術の向上によって質の良い塗料が開発されたり、外壁材の技術開発が進んだ結果、10年以上メンテナンス不要の外壁が増えたことなどが理由として挙げられます。
ただし、すべての塗料が10年以上の耐久性を有しているとは限らず、また外壁材についても気候や環境によって耐久性は変わってくることもあります。
関連記事:外壁塗装の工事の流れとは?施工期間はどれくらいかかる?
外壁の再塗装までの期間を左右する要素
では、外壁の耐久性が低下し再塗装が必要になるのは、どういった要素が影響するのでしょうか。
塗料の種類
外壁塗装に用いられる塗料は、大きく分けて以下の種類があり耐久年数も異なります。
塗料の種類 | 耐久年数(目安) |
アクリル塗料 | 3~5年 |
ウレタン塗料 | 5~8年 |
シリコン塗料 | 8~10年 |
フッ素塗料 | 10~15年 |
無機塗料 | 15~20年 |
また、塗料は溶剤で希釈して使用しますが、使用する溶剤によって水性塗料と油性塗料に分けられ、耐久性も異なります。
水性塗料 | 油性塗料 | |
溶剤 | 水 | シンナーなどの有機溶剤 |
耐久性 | 低い | 高い |
さらに、溶剤で希釈する前の塗料の原液は1液型と2液型というタイプにも分けられ、2液型のほうが耐久性に優れています。
1液型 | 2液型 | |
使い方 | 主剤を溶剤で溶かす | 主剤と硬化剤を混ぜ合わせた後に溶剤で溶かす |
耐久性 | 低い | 高い |
外壁材の種類
外壁に用いられている素材によっても耐久性は大きく変わることがあります。
たとえば、近年の住宅に広く用いられているサイディングボードの場合、7〜10年程度を目安に再塗装が必要となるケースが多く、特に目地(シーリング)の部分は劣化しやすい傾向があります。
一方、軽量気泡コンクリート建材のALCパネルは10〜15年程度、屋根材にも用いられることが多いガルバリウム鋼板は15~20年程度が再塗装の目安となります。
タイルやレンガといった岩石系の素材は基本的に再塗装が不要とされていますが、サイディングと同様に目地の部分が劣化してくることもあるため、10年程度を目安に点検・メンテナンスを行っておくと安心です。
地域の気象条件
耐久性に優れた外壁であっても、長年にわたって紫外線や風雨に晒されていると徐々に劣化してくることがあります。
地域によっても日照時間や降雨量、気温、湿度などは変わるため、たとえば日照時間の多い地域では紫外線の影響で劣化のスピードが早まったり、沿岸部では潮風の影響でサビや腐食が進行しやすいといった傾向も見られます。
躯体そのものの状態
躯体とは、建物を支えるために不可欠な基礎や柱などを指します。
たとえば、大規模な災害によって地盤沈下が発生すると建物が傾き、躯体のバランスが崩れることで外壁に大きなひびが入ることもあります。
また、躯体が鉄筋コンクリートで構成されている場合、コンクリートの中性化によって耐久性が低下し、建物のバランスが崩れてくることもあるでしょう。
塗装以外の施工の状態
高品質な材料や塗料を使用していても、施工の品質が悪いと外壁そのものの耐久性が低下し、短期間でさまざまなトラブルに見舞われることもあります。
たとえば、近年の住宅にはサイディングボードとよばれる外壁材が用いられることが多いですが、これは複数の板材を継ぎ合わせて施工するため、継ぎ目部分の隙間を埋めるコーキング処理を施さなければなりません。
しかし、コーキング処理が不十分だと隙間から水が侵入し、外壁の内部が腐食することもあるのです。
外壁の再塗装を検討すべきタイミングとは
美しい住宅の外観を維持し劣化を防ぐためには、適切なタイミングで外壁の再塗装を検討することが大切です。
色あせが気になってきたとき
外壁の再塗装を行うべきタイミングとして、もっとも分かりやすいサインが色あせです。
初期段階の劣化として色あせが見られることが多く、これを放置しておくと塗装そのものが剥がれ落ちてくるケースもあります。
そのため、外壁の色あせが気になりだしたら早めのタイミングで再塗装を検討しましょう。
チョーキング現象が現れたとき
色あせと同様にチェックしておきたいのが、チョーキングとよばれる現象です。
これは塗装面にチョークの粉のような細かい粉末が付着する現象で、塗装が劣化し始めているサインのひとつです。
外壁の塗装面を指でなぞった際に、細かい粉末が付着した場合には再塗装を検討しましょう。
ただし、モルタルの仕上げ材として用いられるリシンはチョーキング現象が現れないため、色あせなどが見られないかを観察し判断しましょう。
クラック(ひび割れ)が生じたとき
クラックとは、外壁の表面に現れるひび割れのことを指します。
固まった塗料が表面で割れているケースもあれば、外壁材の内部からひび割れを起こしているケースもあるため、一般の私たちにとって正確に判断することは難しいものです。
クラックに気づいたら決して放置することなく、信頼できる専門業者に診断してもらい必要に応じて補修を行いましょう。
黒ずみ・カビ・コケが目立ってきたとき
外壁の劣化が進行していくと、表面に黒ずみが発生したり、カビ、コケなどが繁殖したりすることがあります。
メンテナンスをすることなく長期間放置しておくと、外壁の内部にまで進行していく危険性もあるでしょう。
劣化を防ぐためにも、まずは専門業者に外壁の状態を診断してもらい再塗装など必要な処置を検討しましょう。
関連記事:外壁塗装は何年ごとにやるべき?塗料や外壁材の種類ごとに解説
外壁塗装を20年してないのは大丈夫?
そもそも外壁は定期的な塗り替えが必要という知識がなく、20年、あるいはそれ以上にわたって放置している方も少なくありません。
今回ご紹介した内容を初めて知り「うちの外壁は大丈夫だろうか?」と不安に感じた方も多いのではないでしょうか。
現状、「確実に20年以上の耐久性を誇る」といった高性能な塗料は開発されておらず、最上位クラスにあたる無機塗料でも早ければ15年程度で劣化してくる可能性があります。
そのため、もし20年以上にわたって外壁のメンテナンスを行っていない場合には、まずは専門業者に相談のうえ現在の状態を診断してもらいましょう。
外壁塗装を長持ちさせる方法はある?
外壁塗装の劣化を防ぎ、耐久性をアップさせるためにはどういったメンテナンスが効果的なのでしょうか。
たとえば、インターネットやSNSなどでは「自分で外壁洗浄をすれば長持ちする」といった内容を目にすることもあります。
これは決して間違いではありませんが、強い力でブラシを擦ると外壁を傷つけるリスクがあるほか、洗剤選びを誤ると外壁が変色・変質するおそれもあります。
また、2階部分などの高所作業は危険を伴い、作業に慣れていない場合ケガをするおそれもあるでしょう。
さらに、面積の広い外壁の洗浄を一人で行うとなると膨大な時間とコストを要します。
季節や天候によっては定期的な洗浄が不可能な場合もあることを考えると、すべての人に対して外壁の洗浄作業を推奨することは難しいと言わざるを得ません。
とはいえ、一切のメンテナンスを行うことなく放置していると、ひび割れやサビ、腐食などが拡大し高額な修繕費用が発生する可能性があることも事実です。
そのため、まずは塗料や外壁材の種類などに応じて、塗装が推奨される一般的なタイミングで定期的に再塗装を行うことが長期的なメンテナンスコストを抑える手段になり得ます。
関連記事:外壁塗装の色選び完全ガイド|おすすめ・人気の色や失敗しないためのシミュレーションを紹介
外壁の再塗装のご相談ならシンニッケンまで!
外壁塗装には専門的な知識と高度な技術が要求されるため、信頼できる専門業者に相談・依頼することが何よりも大切です。
また、外壁の状態は地域の気候や環境によっても大きく左右されるため、地元で多くの施工を手掛けてきた業者ほどノウハウも蓄積されています。
もし、信頼できる専門業者が見つからない場合には、外壁塗装のパイオニアであるシンニッケンまでご相談ください。
戸建て住宅からマンション、ビルなど、のべ25万件以上にわたる外壁塗装を手掛けてきた実績があり、北海道から九州まで全国に48の支店を構えています。
また、シンニッケンでは外壁塗装を通じて「建物を守る」ことを最重要課題として考えており、安全で快適な住環境を実現するためにプロの視点から最適な提案もさせていただきます。
外壁塗装のタイミングが分からず不安に感じている方は、まずは一度シンニッケンまでお気軽にご相談ください。
まとめ
外壁塗装のタイミングはさまざまな要因によって変わるため、一概に「10年は早い」と断言することはできません。
色あせやチョーキング、クラック、黒ずみ・カビなどが見られるようになったら、外壁が劣化し始めているサインでもあるため、まずは一度専門業者に見てもらいましょう。
また、これらの症状が見られない場合でも、念のため10年というタイミングを目処に点検してもらうのもおすすめです。