屋根塗装にも寿命がある!?マイホームを長持ちさせる塗り替え時期と耐用年数
最終更新 : 2024.07.27
マイホームの屋根に上がったことはありますか?
ほとんどの人は、離れて見ることはあっても、上がって見ることはほとんどないでしょう。ですが、屋根はマイホームにとって、とても大事な部分です。構造的にも守る役割をもち、常に過酷な状況に置かれるのが屋根。
その屋根を守るのが屋根塗装だからです。
屋根塗装は過酷な状況に置かれるからこそ、耐用年数が重要な意味をもちます。限界を超えれば、役割を果たせないからです。
では、どの程度なのかといえば、いまいちピンとこない人がほとんどでしょう。マイホームを長持ちさせたいのであれば、屋根塗装の塗り替え時期がとても重要です。
耐用年数を知り、劣化する前に手を打つこと。これがマイホームを守るカギです。
屋根塗装の耐用年数
屋根塗装は、屋根を守るという大事な役割があります。
屋根を守る代わりに、どんどん劣化が進んでいくことになるため、おおよその限界を示す耐用年数が重要です。だいたいの数字を知っておけば、徐々に塗り替えの時期が見えてくるでしょう。
耐用年数の目安は10年から15年
そもそも耐用年数とは、屋根塗装が性能を発揮できる期間と考えてください。だいたいの目安としてメーカーが発表しているのも、耐用年数の目安です。
なぜ目安になるかといえば、それぞれ条件が異なることがあげられます。地域性もありますし、下地となる屋根材の問題も出てくるからです。
そのため絶対とはいえませんが、この辺りで塗り替えを考える必要が出てくると思うといいでしょう。
目安は10年から15年です。数字にするとそこまで大きな違いはありませんが、実際に5年となれば、かなりの開きがある年数です。
目安に差が出る理由として、立地条件はもちろん、材料や職人の腕などによって大きく左右されることを表しています。
塗料によって違う耐用年数
屋根塗装の重要な要素である耐用年数、塗料によって、どれほどの違いが出てくるかを見てみましょう。塗り替えを考える際にも、どのような塗料を使うとコストを下げられるのか、長くマイホームを守れるのかもわかります。
アクリル
塗料として一般化したのがアクリルです。身近なものにも多く使われている塗料で、外壁塗装にも使われてきました。
とはいえ、現代の外壁や屋根塗装では、あまり使われなくなった塗料とも言えます。アクリル樹脂をもとにした塗料で、発色の良さから多くの製品に使われました。その分だけ生産性の研究が進み、安価な価格で手に入ることが特徴です。
しかし、瞬間的なコストは抑えられても、耐用年数の低さという問題を抱えました。
つまり、トータルしたコストパフォーマンスで見るとよくなかったのです。これが外壁や屋根塗装で使われなくなった理由といえます。
安価であることからDIYでよく選ばれますが、紫外線に対する耐性も低く、結果的に長持ちしません。古い塗装の部分的な補修や室内の塗装にはまだまだ使えますが、利用用途は限定されていると考えたほうがいいでしょう。
耐用年数は3年程度。条件によっては1~2年で塗り替えがやってくる場合もあるほど脆弱です。
また足場を組んで、時間をかけて再塗装する。このライフサイクルを考えると、1回の塗料の代金は安くできても、数年で大きな支払いを繰り返さなければいけなくなるのです。
ウレタン
アクリルより、防汚性や施工性能に優れていることでシェアを伸ばしたのがウレタン塗料です。耐久性も若干伸びたことで、多く使われるようになりました。
ウレタン樹脂を使った塗料ですが、化合物の名前で密着性が高く、弾力があり汎発性をもちます。
多くの使用例がある塗料ですが、防水性能を期待されて使われることが多くなりました。屋上防水に使われている塗料です。ウレタンは化合物であることからも、他に何を混ぜるかで性能が若干変わります。
よく聞く名前としては、ポリウレタンも仲間です。
ポリウレタンの塗料もあり、組み合わせや配合で性能や特性が変わります。耐候性を求める場合に使われるケースが増えました。ウレタンの重要ポイントは柔軟性です。
塗料は硬化すると伸び縮みに対応しにくくなり、塗料自体が割れやすいという問題を抱えます。
どんな素材も熱を加えると膨張し、冷やすと縮むのは変わりません。外壁や屋根塗装の場合には、その下に建築材があります。
この建築材と伸び縮みの率が合わないと、だんだんとひずみが生じ割れてしまうのです。ウレタンは弾力があり、柔軟性をもっているため、伸び縮みに追従しやすく割れにくくなります。
構造的に複雑な場所にも使われるのは、この柔軟性を活かしているからです。価格帯としてはアクリルに次いで安価です。ですが、耐用年数も5~6年程度しか持ちません。
耐用年数もアクリルとそこまで大きな差がないのです。弾力性がある代わりに、ほかの種類より光沢保持率が劣ります。
床などに使うなら、ウレタンは優れています。高級感を出しやすい塗料ともいえますが、外壁や屋根塗装には限定的で使われる事が少なくなりました。
理由としては明確で、これ以上にコストパフォーマンスに優れた塗料があるからです。
シリコン
アクリルに代わって、施工数が伸びていった塗料がシリコンです。シリコン樹脂を使った塗料で、ベースはアクリルが使われています。
そのため、アクリルシリコン塗料と呼ばれることもありました。
シリコンとはケイ素を使った化合物で、無機に属します。単純にいえば、燃やしても炭にならないものと考えればいいでしょう。
性質も安定した状態を保ちやすいのが特徴ですが、前述したようにアクリルがベースです。ここに問題があります。
非常に高い性能を示しますが、アクリルとの配合比の問題で性質が変わるからです。つまり、シリコンの含有量が少なければ、アクリル塗料に近づいていきます。
シリコン塗料はツヤもあり、光沢が長持ちしやすいのが特徴です。
ウレタンより2割程度長持ちするともいわれています。それだけ劣化に強く、汚れもつきにくいのは、外壁や屋根塗装にも相性がいい性能の一つです。
耐用年数も長いことから、多くの建築で使われるようになりました。カラーバリエーションも豊富です。耐用年数で見ると、7年から10年程度と、もとになったアクリル塗料よりもはるかに長くなっています。
ですが、現在はもっとライフサイクルの長い塗料が増えてきており、主役とはいえなくなりました。
フッ素
耐久性の高さからシェアを伸ばしてきたのがフッ素です。
フッ素系塗料は親水性が高く、防水性能に優れていることから、一般住宅はもちろん、橋梁などに使われることが増えました。
大型建築物にも使われる塗料で、耐久性もある塗料です。フッ素系塗料とは、単純にいえば合成樹脂を使った塗料のひとつです。
フッ素を使った樹脂を配合しているのが特徴で、ポリテトラフルオロエチレンというのが正式名になります。どこにもフッ素という名前が入っていませんが、実は作る過程でフッ素を使っているのが特徴です。
蛍石を原材料としていますが、非常に珍しい鉱材で、七色に光ることから名づけられました。
この蛍石に硫酸をかけ、できたフッ酸に対し、クロロホルムで反応させて熱分解するとポリテトラフルオロエチレンができあがります。これがフッ素樹脂と呼ばれるゆえんです。
主成分がフッ素樹脂であることから、材料費がほかの塗料と比較しても高価です。その分、耐用年数が長いなど、高い性能があるからこそ使われるようになりました。
特に紫外線に強い性能が重要で、劣化しにくい性質につながります。遮熱断熱性能も高く、屋根塗装にはとても向いている材料です。
耐用年数は10年以上~13年程といわれています。材料の配合などでも違いますが、非常に長いライフサイクルをもつ塗料です。
汚れもつきにくく、美しい状態を保てるからこそ、よく使われるようになりました。コストパフォーマンスで見ても、長い耐用年数を加味すると、非常に高い性能を示します。
無機
無機と有機の違いは、炭素を含むかどうかです。
燃やしたときに炭素になるなら、それは有機であるといえるでしょう。世の中のものは、ほとんどは有機であるといえます。
でも、ガラスやセメントなどは、いくら燃やしても炭になりません。ボロボロになって崩れるか、別の塊になるなど状態に変化があるだけです。
この材料を使った塗料が無機系となります。
有機の代表はアクリルやウレタンなどの樹脂です。紫外線に弱いことも有機の特徴で、無機はほとんど反応しません。
そうなると対候性は優れているわけですが、硬すぎて塗装できない塗料ができあがります。これでは外壁にも屋根にも使えません。
そこで有機材をベースにしながら、無機系の材料を配合して対候性を高めた塗料となるわけです。
つまり、正確には完全に無機で構成された塗料というわけではなく、有機塗料の一部を無機に置き換えられた塗料になります。
耐候性の高さから、耐用年数は15年ほどになることも特徴です。
最長クラスともいえますが、これも配合次第となるため、メーカーで違いが出ます。
カビやコケもつきにくく、汚れも落ちて、炭にならないので燃えにくいのも特徴です。
問題は価格です。ロングライフにはなりますが、単価は跳ね上がります。
コストパフォーマンスで見ると、そこまで高くないと感じるかもしれません。
ところが、屋根塗装では事情が少し異なるのです。これには、何度も塗り替えるわけにはいかない事情があります。
屋根塗装の場合には、塗り替えも2回、やれても3回までといわれます。
屋根材のライフサイクルを伸ばすのが屋根塗装の役割ですが、外壁とは違い、すべてカバーできないからです。
光触媒
ほかの塗料とは少し違うのが光触媒です。ほかの塗料は材としての名称が使われていますが、光触媒は性能を表しています。
紫外線を受けると物質は劣化しますが、光触媒は逆に利用して汚れを分解させるのが特徴です。
酸化チタンを含んでおり、紫外線があたると酸素と水分に反応します。
表面についた有害物質を分解するのです。
有害物質の大半は有機物質ですので、分解して二酸化炭素と水にします。
残った汚れは雨水で流れていくため、セルフクリーニング効果や機能と呼ばれるのです。
人体にも安全な塗料で空気清浄機能まであります。
問題は価格です。かなり高額なうえに、技術力も必要で簡単に扱えません。
色も限定されることから、汎用性の低さも問題です。
耐用年数も単純に比較しにくい部分があり、10年から15年程度であることを考えると、コストパフォーマンスはいいとはいえません。
ここまで見てくると、塗料にはどれも一長一短があり、なかなかすべてを網羅できる塗料が無いことに気づかれたかと思います。
シンニッケンでは、30年以上、さまざまなご相談を受けました。
一つ一つ改良を重ね、今では弱点をすべて補った塗料を開発することができました。
塗料にお困りのようであれば、ぜひご相談ください。
屋根材と塗り替え
屋根塗装の耐用年数を考える上では、屋根材による塗り替えの影響も忘れてはいけません。
屋根材によって塗り替えの時期が大きく変わってくるため、どのような材料を使っているかも判断材料にしておきましょう。
屋根材によって塗り替えの時期が変わる
外壁とは違い、雨に直接あたり、日にさらされるのが屋根です。
屋根材の寿命も塗り替えに大きな影響を与えます。
屋根塗装によって、ある程度は寿命をコントロールできますし、ダメージをフォローすることも可能です。
補修的役割ももちますが、屋根材によってはそう簡単にいかないことも出てきます。
スレート瓦
スレート瓦とは、屋根材の一つで天然スレートと人口スレートがあります。天然スレートと呼ばれるものは、粘板岩を薄くスライスした材料で、高級感があります。
ですが、天然石を使用し加工も手間がかかり高額なため、ほとんど使われていません。人口スレートとは、セメントと繊維材を混ぜて高圧でプレスし、厚さ5mm程度に成形されたものです。
この繊維が特徴で、強度を高め、薄く作れます。窯業系サイディング瓦と呼ばれているのは、このセメント系スレートのことです。
耐用年数で見ると、30年程度です。これは表面のコーティングがなくなると、水が染み込みます。
劣化させる原因となるため、屋根塗装が必要です。このタイミングで考えると、長くても15年、できるなら10年程度での再塗装がいいといえるでしょう。
セメント瓦
スレート瓦などが増えてきている中、耐用年数が30年から40年あるのがセメント瓦です。無機であるセメントを使っているからこそ、耐火性に大きなメリットがあります。
重量があることから、風でずれにくいため台風の被害が出やすい地域でよく使われてきました。現在は安価で耐久性の高い陶器やガルバリウム鋼板が増えています。
窯業系サイディングと同じセメントですが、厚みに違いがあります。セメント瓦は1cm以下にはできないからです。
いろいろなデザインが作れ、カラーも豊富ですが、衝撃に弱く耐久性は高くありません。
水分を吸収しやすい問題があるため、10年程度で再塗装が必要です。
陶器
粘土を焼成して作るのが陶器瓦です。釉薬(ゆうやく)をかけて作られています。
寿命だけで見れば50年以上もあり、ほぼ半永久的に使えるといわれてきました。衝撃を受けるようなことでもなければ、入れ替えることはほぼありません。
基本的に屋根塗装の必要がありませんが、完全にメンテナンスフリーというわけではなく、防水シートの点検やずれの修正が必要です。
金属屋根
金属系の屋根材です。トタンやガルバリウム鋼板といったものが多く、アルミ製などでなければ、さびる可能性が出てきます。
表面を保護している塗料が劣化して役目を果たさなくなると耐久性が一気に落ちてきますが、判断の目安になる痛みは色あせからです。
さびてしまえば大きなメンテナンスが必要なため、色合いが悪くなってきたら、再塗装の時期に来ていると考えられます。
金属屋根の場合には、屋根材よりも下地の防水シートの寿命が先にきます。
ルーフィングと呼ばれますが、大体30年が限界です。そのため、塗料の耐用年数がダイレクトに影響するといえるでしょう。
関連記事:屋根塗装の費用相場は?業者選びのポイントと注意点を解説
耐用年数と劣化
屋根塗装の耐用年数が切れたらどうなるでしょうか。屋根という家を守る部材として考えてみなければいけません。劣化が進み、放置するとどのようなことが起こるかを理解しておけば、塗り替える意味が見えてきます。
耐用年数が切れるとどうなるか
屋根塗装の耐用年数が切れたとき、どのようなことが起こるでしょうか。
代表的な症状は雨漏りです。
屋根材のほとんどは防水性がありません。どこで雨水を防ぐかといえば、表面で層を作る屋根塗装です。
次に浸透しないよう、防水シートで防ぎます。つまり、屋根塗装の耐用年数が切れると、雨漏りにつながるのです。室内に雨漏りが発生しなくても、建物に雨水が入れば湿度は上昇します。
湿度が上昇すれば、室内でカビなどの発生につながるのです。
もちろん、部材の強度も落ちるため、マイホームの耐久性、耐震性にも影響が出て寿命を大幅に縮めることにもつながるのです。
やがて屋根に空気が逃げやすくなり、気密性も落ちます。室内の温度調節にも影響を与えるため、全体としてもデメリットしか起こりません。
屋根塗装の材料はなにがいいか
屋根塗装の重要性がわかったところで、いったいどの塗料を選択すればいいかという問題が残ります。屋根材の耐用年数と屋根塗装の関係もあるからです。
一番は屋根塗装の寿命にかかわります。
屋根塗装が必要な屋根材は、防水性が低いと意味がありません。では、なにを選ぶべきかという問題が出てきます。
屋根塗装は、あまり繰り返してできません。再塗装する場合には、既存の塗装も落として再塗装するなどの施工が必要です。
常に風雨にさらされ、表面には雨水が流れます。この状況からも、屋根材に限界が訪れるからです。そのため、再塗装できる回数は多くても3回、大体2回で屋根材を入れ替えるなどの施工が必要になります。
ここから塗料を考えてみましょう。屋根材に30年程度の寿命があるのなら、10年程度のサイクルが実現できる塗料が現実的です。
なにかあって再塗装が伸びたとしても、15年もあれば大丈夫でしょう。そうなると、アクリルやウレタンでは対応できません。
最低でもシリコン以上の耐用年数をもった塗料が必要だということがわかります。
屋根材がもっと長寿命でも、10年程度の耐用年数があれば対応できる範囲になるでしょう。
屋根の再塗装には足場も必要です。
そのため、高層階をもつ建物では簡単に施工できないことも考えられます。無機系などで耐用年数を伸ばした材料は、こうした条件で使われるのです。
ここまでの耐用年数があれば、足場にかかる経費をかけずに済むため、トータル的にみればローコストで済みます。
屋根塗装の注意
屋根塗装をするなら、さまざまな点に注意が必要です。耐用年数の見極めから初めて、いったいどのような時期に塗装するといいのか見ていきましょう。屋根という一番高い場所だからこそ、考えなければいけないことがあるからです。
屋根塗装の耐用年数を見極める状況
屋根塗装の耐用年数を見極めるのは、実際の経過年数だけではありません。
条件や状況によっては、もっと長く持つかもしれないからです。変化を見逃さずにいれば、もっと的確に耐用年数の限界を知れます。
色あせ
色あせは、最も分かりやすい変化です。色あせが出ることの意味は劣化にあります。屋根は紫外線の影響を強く受けるわけですが、色素は紫外線によって劣化し、色あせてくるからです。
さらに、塗料自体の劣化も出てくるため、だんだんと発色が悪くなります。
これが色あせにつながるため、どこか発色が落ちていると感じたら、耐用年数が終わりかけていると考えていいでしょう。
コケ・カビ
コケ・カビも大きな変化です。外壁塗装でも見られますが、屋根で繁殖するのは、大きな問題です。
本来なら紫外線を浴びやすい屋根なので、繁殖しにくい環境です。それでも出てくるのは、塗膜の防水性能が失われている証拠です。
屋根材の継ぎ目などに侵入し、繁殖している可能性があります。
こうなると、屋根材自体の劣化も考えなければいけません。
ひび割れ
金属系以外の屋根材はひび割れを起こす可能性があります。ひび割れの度合いによっては、すぐにでも塗り替える必要があるでしょう。
ただし、遠めに見てもひび割れは分かりません。
かなり近くでみて初めて分かるものが多い為、目視でも定期的な点検が必要です。
はがれ
金属屋根でよく起こりますが、はがれている状態は屋根塗料が機能していない状態です。
ケレンしてはがし、再塗装しなければいけません。屋根材が直接雨水に触れるため、早く再塗装が必要です。
さび
金属部品がある場合や、金属屋根では防錆塗料が役目を果たさなくなってさびが出ます。さびが目立つなら、すぐにでも再塗装しなければいけません。
そのまま放置すると、金属部分の腐食が進み、穴が開いて雨漏れの原因となるからです。
破損
スレート瓦やセメント、日本瓦、陶器などで起こる可能性があります。端部で破損しているならまだしも、もっと中央部で破損していると、雨水の侵入経路になるでしょう。
部分的な補修ができることもありますが、かなり深刻なケースもあるため、点検が必要です。
大きく破損しているときには、屋根塗装ではなく、屋根の葺き替えや重ね張り(カバー工法)など大規模な工事が必要になります。
凍害
凍害は、屋根材が凍結と融解を繰り返すことで起こる損傷です。これにより塗装が剥がれやすくなったり、屋根材自体が劣化しやすくなります。
屋根表面のひび割れや剥がれ、膨張などは凍害の兆候です。これらが見られる場合、塗装の耐用年数が近づいている可能性があります。
滑落
ひび割れを放置していると、割れが大きくなり屋根材が割れ落ちることがあります。
割れた屋根材が落ちてしまうと大事故につながる可能性がありますので、早急に専門家による点検が必要です。
反り
反りは、屋根材が変形して曲がる現象です。これは、材質の老朽化や温度変化の影響によるものであり、塗装の劣化が進んでいるサインです。
反りが見られる場合、塗装だけでなく、屋根材自体の交換も考慮する必要があります。塗装の耐用年数を見極める際には、屋根材の状態も合わせてチェックすることが大切です。
施工の季節
屋根は、マイホームの中でも一番高い位置にありますよね。つまり、雨や雪が降れば直接あたりますし、養生でカバーもしにくい部分です。
風に関しても遮るものが少なく、日光も遮れません。
施工する条件としては、決していい場所ではないのが屋根です。
ここから施工と季節の関係を考えなければいけません。一番適しているのは春です。雨が少なく、気温も抑えられるため、全国的に見ても施工しやすい季節になるでしょう。
逆に気温の低い冬は適しません。工程毎の乾燥不十分により塗膜の性能に影響が出るからです。
夏の気温が高い時期は、塗料の乾燥が早くなる可能性がある為、充分に注意して施工を進める必要があります。地域によっては雨が降りやすいことも条件を悪くするポイントです。
秋もよさそうですが、台風などの問題があり、長雨の影響を受ける可能性があります。
カバー工法や葺き替えも検討
屋根の塗り替えを既に2回行っており、劣化が進みすぎて塗装では対応できない場合、カバー工法や葺き替えという選択肢を検討するべきです。
これらの方法は、屋根の大規模なリニューアルや長期的な対策に効果的です。
カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねて施工する方法です。既存の屋根を撤去することなく、効率的かつ経済的に屋根をリニューアルできます。
既存の屋根に重ねるため、施工期間が短縮され、大掛かりな工事が不要なため、コストを抑えることができます。また、既存の屋根材を利用するため、廃材が少なく環境に優しい選択となります。
ただし、 カバー工法は既存の屋根の状態が比較的良好であることが前提です。重量の問題や構造の確認など、専門家による詳細な検討が必要です。
葺き替え
葺き替えは、既存の屋根材を全て撤去し、新しい屋根材で葺き直す工法です。屋根全体を根本から新しくすることができます。
屋根の劣化が激しい場合や、大きな損傷がある場合は葺き替えが適しています。葺き替えにより、屋根の耐久性や断熱性、防水性が向上し、長期間の安定した性能を保つことができます。
注意点としては、 葺き替えは、カバー工法に比べて工期やコストがかかります。
また、屋根全体を新しくするため、家全体の構造に影響を及ぼす可能性があるため、十分な調査と計画が必要です。
関連記事:外壁塗装しないとどうなる?この症状はほっておいても大丈夫かを判断
屋根塗装をリーズナブルに
屋根塗装は、決して安いものではありません。資金的にも潤沢なら問題はないですが、できるだけリーズナブルにしたいのも当然の話です。
そこで、どんなところを抑えればいいか見ていきましょう。
繁忙期を避ける
繁忙期は仕事が集中しているため、値引きなどにも応じにくい時期です。
リーズナブルとはいえない条件にもつながります。
閑散期になると、塗装会社も仕事が少なくなり、営業で仕事を取らなければいけません。
それだけ売手市場になるため、リーズナブルな施工につなげられる可能性が出てきます。
営業担当者などと話をしながら決めるといいでしょう。
季節的な問題があるかもしれませんが、これまで実績を積んできた会社なら、対応策もしっかりもっているので安心です。
外壁塗装とセット
屋根塗装は足場が必要です。簡単には屋根にあがれませんし、安全に作業するには足場は欠かせない条件だからです。
ですが、足場には費用がかかります。設営して撤去する。これだけでもかなりの金額です。 そこで同じ足場を使える外壁塗装とセットにすると、効率よく工事できます。
もちろん、足場を共有するので、リーズナブルになるわけです。
定期的な点検が重要
屋根が深刻な問題を抱えるようになれば、費用も増大します。つまり、そうなる前にメンテナンスと合わせ再塗装するほうがリーズナブルになるわけです。
では、いつ判断すればいいか、それは点検で判別するのが確実でしょう。
シンニッケンでは、無料で点検しています。
プロの目から見て時期を判断すれば、間違いはありません。あとから施工して大きな費用をかけるより、少し余裕をもって施工するほうが長持ちさせられます。
まとめ
屋根塗装は、外壁塗装とは違った部分をもちます。
構造的な違いもあり、選ぶ塗料にも違ってきます。
シンニッケンではAPS(プロ・スタッフ・アドバイス)を実施し、無料点検を行っております。
お住いの屋根材に合った塗料の選択も、当社技術スタッフにお任せください。高性能でロングライフなものもあります。
再塗装でカバーできる部分もありますし、条件によっては、葺き替え工事やカバー工法などを検討しなければいけないケースもあるでしょう。
その場合でも対応できますので、まずは無料点検で、状態を確認してみてはいかがでしょうか。