ALCの寿命は50年?外壁塗装が支える重要なポイントとは

最終更新 : 2024.12.04

ALCの寿命は50年?外壁塗装が支える重要なポイントとは

「うちの外壁はALC」というお家もかなり増えてきました。

以前は大型建築物や高層建築物で使われるケースの多かったALCも、コストも軽減され一般住宅で使用される機会が増えたからです。

外壁材として名前はよく知られているALCですが、どのようなものか理解されているでしょうか?

どんなものを使っているか、メンテナンスはどうしたらいいかわからないものですよね。

寿命は50年以上ともいわれるALCを維持するためには、外壁塗装も大事なポイントです。

どのように付き合っていけばいいのか、安心して暮らすために必要なことを解説していきましょう。

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ALC外壁とは

ALCとは、Autoclaved Lightweight aerated Concreteのことです。

いきなり横文字が並んでも、なんのことかわからないですよね。もう少し細かくしてみましょう。

ALCとは、高温高圧蒸気養生した軽量気泡コンクリートを意味します。コンクリートとは、セメントに骨材を入れたものです。

そのなかでも軽量骨材を使い、人為的に気泡を混ぜることで、比重を軽くできます。

この軽量コンクリートを型に入れて、高温高圧蒸気で養生して強度を高めたのがALCです。

工場で作るからこそ、ここまでの工程を管理して高強度で軽い外壁材にできます。品質も一定で、厚みなども規定値に合わせたものが作られてきました。

ALCが生産されるようになったのは、1930年ごろの北欧です。日本では1963年と歴史が長い外壁材として知られています。

高強度というと、アスベストなどを使っているような気もしますよね。しかし、ALCには一切含まれていません。

非常に安全性の高い外壁材で、一般住宅でも安心して使えます。

ALCはセメント系の外壁材ですが、もう少し原材料を分析していきましょう。

もしも、欠けが見つかったときなど、補修するときのヒントになるからです。

主原料は、セメント、珪砂、生石灰、アルミ粉末を使います。このなかで珪砂は骨材ですし、生石灰はセメントにも含まれている材料です。

一般のコンクリートとはまったく異なるのが、金属であるアルミ粉末でしょう。

小学校の理科の実験で、アルミに液体をかけて水素を発生させる実験を覚えていませんか?水中置換法の実験で使ったはずです。

セメントは水と反応すると、強アルカリ性を示します。

ここでアルミ粉末が反応し、発泡することで体積を増やし、比重を軽くしているのです。

これがALCの秘密といってもいいでしょう。

ALCの構造をみると、内部に補強材が入っています。

補強材として鉄筋マットやメタルラスといった金属を組み込むことで、強度を増しているのが特徴です。

これによって曲げにも強くなり、壁だけでなく屋根にも使えるようになりました。

関連記事:外壁塗装と紫外線の関係!?UVとはなんのこと?

ALC外壁のメリット

ALC外壁は、さまざまなメリットがあります。メリットを生かすことが、ALCの活用にもつながるでしょう。

軽量

ALCのメリットは軽量であることでしょう。重量が軽くなると、建物の構造に対して負荷が少なくなります。

それだけ構造体の耐久性に対する影響も下がり、良好な状態を保ちやすくなるからです。

地盤に対する影響も少なく、沈下などの問題を抑制する効果があります。

気密性の高さ

気密性の高さもメリットです。発泡させて気泡を作り出しているALCは、耐熱性や耐火性にも優れています。

熱の移動を遮断し、夏は涼しく、冬は暖かくなる構造です。経済効率を考えると、大変意味のある性能でしょう。

同時に防音性も高まるため、外部の騒音もシャットアウトしやすくなります。

軽量鉄骨造よりも性能が上です。

高い強度

構造物として、ALC自体が強度を持っているのも大きいでしょう。

外壁だけでなく、間仕切壁や床にも使えるほどの強度です。耐震性の面でも高い効果を発揮してくれます。

軽量で強度が高いため、外壁材としてぴったりの選択になるのです。

長い寿命

寿命はサイディングなどよりも高い50年前後です。

もちろん、外壁塗装などのメンテナンスが前提ですが、劣化しにくい素材で作られていることが影響しています。

寿命が長いとそれだけメンテナンスにかかる費用が下がり、長く住みやすい環境になるのです。

ALC外壁のデメリット

ALCにもデメリットがあります。もちろん、メリットが上回るからこそ、多くの建築物で使われてきました。

ただし、使用環境や規模によっては大きなマイナスになる可能性が出てきます。

水に弱い

一番は、水に弱いことです。それもかなり弱いと思っていいでしょう。

空気の層を持つ多孔構造のALCは水を浸透させます。外側には外壁塗装がなければ、雨水などから室内を守れません。

仮にひび割れてしまうと、雨水が一気に浸透する可能性が出てきます。

コーキングの劣化による浸透も懸念材料です。

このような問題が生じないよう、メンテナンスを欠かさないことが、デメリットを解消するポイントになるでしょう。

水分の浸透によってALC自体も劣化が進みますし、室内の雨漏りの心配も出てくるからです。

結露する可能性

ALCは空気の層があるがゆえに、水分が浸透して通過する透湿性を持ちます。

そうなると、外壁塗装が完全にシャットアウトすれば、内部から湿度が逃げにくいほどの密閉性が生まれます。

外壁塗装に油性塗料を使うと密閉性が高すぎて結露するといった問題まで生まれるのです。

そのままでは内部で腐食を加速する可能性も出てくるので、外壁塗装の選択には十分に気を付けなければいけません。

内部の湿度を排出し、外部の雨水は遮断するという選択がカギです。

コーキングの劣化

ALCは構造上、コーキングが必須です。サイズはほかの外壁材よりも小さく、つなぎ目が長くなる傾向があります。

目地から水分が浸透しても構造的に問題が出てくることから、コーキングが欠かせません。

ALC自体は長い寿命を持ちますが、コーキングの寿命は長くても10年です。

メンテナンス頻度にも気を付けておかないと、ALCの寿命を縮める可能性が高くなります

高コスト

ALC外壁で大きな障壁となるのがコストです。高額で、なかなか手が出なかったというケースも多くみられました。

近年ではコストもかなり下がり、負担も軽減されるようになっています。

長期にわたって使えるという点を考えると、そこまで大きな負担にはならないでしょう。

分岐点となるのは、長期間住み続けるかどうかです。

短期間と割り切るならALCよりもサイディングのほうが安価で済みます。メンテナンス前に売却や転居を考えればいいからです。

もしも30年以上の長期にわたって住み続けるのなら、ALCのコストはかなり軽減されます。

メンテナンス次第で50年以上維持できるからです。

そこまで踏まえて考えみると、コストはかなり違った性格を見せてくれます。

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ALC外壁の寿命

ALC外壁は非常に寿命が長い特徴を持っています。外壁塗装などメンテナンスによって50年もの長寿命になるからです。

50年で考えれば、30歳で建てた家なら80歳まで持つ計算であり、ほぼ入れ替えずに住めることになるでしょう。

一般的なサイディングはだいたい30年であることを考えれば、交換などリフォーム費用に大きな影響を与えます

問題はメンテナンスです。ALC外壁が50年持つとしても、ほかの部分はそんな長寿命ではありません。

それどころか10年もたたずにメンテナンスが必要な場所も出てきます。これらのメンテナンスを怠れば、ALC外壁も50年も持ちません。

つまり、メンテナンスがALC外壁の寿命を決める大事な要素であり、そのなかでもコーキングと外壁塗装が重要な意味を持つのです。

これはALC外壁のデメリットというわけではありません。メリットを生かすための重要ポイントと考えるべきでしょう。

シンニッケンでは、無料の外壁診断をおこなっています。

ALC外壁を長く持たせるためにも、必要なメンテナンスを見極めることが大切ですので、ぜひご利用ください。

関連記事:外壁塗装に必要な存在、コーキングの役割とは?

ALC外壁の劣化はどこで判断するか

長寿命を誇るALC外壁だからこそ、劣化の判断が大切です。

見逃してしまうと、劣化が進み、さらなる問題を引き起こす可能性が出てきます。大事なポイントになるので覚えておきましょう。

ひび割れ

見た目ですぐにわかるサインがひび割れです。表面だけにひび割れが生じるヘアクラックから、ALCの構造にも影響を与える構造クラックまであります。

基本的にALC外壁は力がかかると、継ぎ目に逃がす構造になっています。貼り付けられているALCパネルが、魚のうろこのように動くと考えるといいでしょう。

そこで、柔軟性のあるコーキングが力を受け止めるように作ります。

しかし、大きな力がかかると逃がす場所がなくなる状況になり、ALCがひび割れる可能性が出てくるのです。

もうひとつの可能性が、乾燥による収縮でヘアクラックとして現れやすいことです。

ただし、ヘアクラックも進行していけば、構造クラックに変わるため、早めの補修が必要です。

ひび割れの大きな問題は、雨水の侵入を許してしまうことです。

そのままにしておくと、防水性を持たないALCですので、内部に影響を与えます。

さらにALC自体の劣化もさらに進むため、早期に対処しなければいけません。

同時に目地の機能にも注目が必要です。なぜひび割れを生じているか。ここに問題が隠れています。

そのままにすると、再度力がかかり、クラックを誘発するかもしれません。

そうなると補修の意味も薄れるため、同時に調査して問題があれば補修が求められます。

タイルの浮き

ALCの表面にタイルを張り付け処理する方法があります。

タイルの裏面にモルタルを塗り、タイルを張り付ける工法がとられますが、乾燥の問題で浮き上がると劣化のサインです。

この現象はドライアウトと呼ばれます。

接着に使うモルタルが水分量不足によって乾燥収縮を起こした結果、浮き上がる現象のことです。

接着力も弱まり、最終的にタイルは剥離し落下します。そうなる前に補修が必要でしょう。

問題はタイルの浮きは、目で見てわかる状態になるとかなり深刻です。

打音検査などでも剥離している状態の判別がつきますので、一定周期の調査が必要といえます。

塗膜剥離

ALCが外壁の機能を保つためには、外壁塗装が絶対条件です。

防水シートなど2次防水機能を持たない以上、雨水を浸透させないための外壁塗装がカギを握ります。

この外壁塗装が浮き上がり剥離している状態は、ALC内部に多くの湿気が溜まり、外側に押し出すことで起こります。

塗膜の付着力が落ちてきた状態でもあり、景観を損なうだけでなく、外壁塗装が保護する役割を失った状態です。

実際の補修として、剥離している部分を除去し再塗装するだけでは、ほとんど効果がありません。

どうして剥離したのかの原因調査を進め、しっかりとした再塗装が重要です。この辺りの判断は経験が必要になります。

これまで多数の外壁塗装に携わったシンニッケンであれば、しっかりと調査して原因を追究し再塗装まで進めますので、再発防止の可能性を抑えられるのです。

コーキングの劣化

コーキングは、ALCの継ぎ目やほかの部材との取り合い部分に充填剤として使われます。

外壁として一体化させるとともに、内部に雨水の侵入を許さない盾の役割を持つ重要箇所ともいえるでしょう。

コーキングはシーリングとも呼ばれます。どちらの名前も聞く機会があると思いますが、同じものと考えて間違いありません。

コーキングは時間とともに肉痩せします。だんだんと体積が減り柔軟性を失うのです。

接着面がはがれてくるのも肉痩せの影響が強く出るため、触ってみて柔軟性がなければ早めの補修しなければいけません。

コーキングは長くても10年程度しか持ちません。一方、ALCはメンテナンス次第では50年もの耐久性を持っています。

コーキングのライフサイクルを保つことがALCの品質を維持することにもつながるため、悪影響を与えないためにもまめな補修が必要です。

チョーキング

ALC外壁の劣化につながる現象が、チョーキングです。日常的に降り注ぐ紫外線の影響で外壁塗装の樹脂成分が分解されます。

分解された成分が白い粉上の物質になって現れる現象がチョーキングです。手で触ると白いチョークのような粉がつきます。

外壁塗装は樹脂を主原料としているため、塗膜が分解されて破壊されると、外壁塗装のALCを守る役割が果たせません。

チョーキング現象が現れ始めると、塗膜が薄く平滑ではなくなります。

つやがなくなり、汚れもたまりやすい状態です。

明らかに色あせが生じてくるため、チョーキング現象が見られたら、再塗装を検討するべきでしょう。

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ALC外壁のメンテナンス方法

ALC外壁のメンテナンスは、長寿命という特徴を生かすために大切です。

外壁塗装会社として、長持ちの秘訣となるポイントをご紹介します。

定期的な塗装

外壁塗装はどんなに長持ちさせてもALCの寿命にはかなわないため、定期的な再塗装が必要です。

塗装のタイミングを知るためには、定期的な点検が重要になるでしょう。

状況把握こそが、ALCの性能を生かす大事なポイントです。

適切な塗料の選択

塗料の選択はALCの性能を生かすポイントです。ALCはほかの外壁材と違う性質を持つため、誤った選択をしないことが秘訣です。

長い寿命を持つ塗料を選び、耐久性を生かす方法もいいでしょう。

外壁材も塗料もロングライフになれば、メンテナンスに掛かる足場代などの節約になるからです。

さらにALCでは気泡の問題が出てきます。表面にも気泡があり、凸凹になっているのがALC外壁です。

この気泡をしっかり塗料でつぶし、平滑面を作ることで雨水の浸透を防げます。

逆に気泡をつぶさないと、平滑にならずつやも出ません。どうしても寿命が短くなるのです。

このような違いは経験でしか生みだされないということに注目してください。

一朝一夕にできることではないため、シンニッケンのように、これまでの施工実績が豊富にある塗装会社を利用することが、将来的な部分でも有利です

徹底した下処理

塗装は見た目だけではありません。

寿命をのばすためには、下処理から下塗りが大事です。

下処理の次第で寿命が変わるため、できるだけ丁寧な仕事が求められます。どこまで吸い込むかの判断など、経験が重要です。

経験が少ないと中途半端な下処理となり、仕上がりにも差がつきます。

ALC外壁の塗装はシンニッケンにお任せ!

ALC外壁は軽量や気密性の高さなどメリットがたくさんありますが、構造上水に弱かったり、結露する可能性があります。

シンニッケンでは、一級建築士による事前診断で適切な施工プランをご提案しています。

また、専属の熟練した職人が丁寧に塗装を行います。

これまでに30年以上、25万軒以上の施工実績があるため外壁塗装でお困りの場合は安心してお気軽にご相談ください。

まとめ

ALC外壁は非常に高性能で快適な住空間が目指せる優れた性能を持っています。

50年という長寿命もALC外壁の大きなポイントです。

大事なことはメンテナンスの時期を見失わないことでしょう。

そのなかでも外壁塗装の再塗装がとても重要なのは、ALCの性能を生かすためです。

外壁塗装はALCほどの長寿命を維持できません。だからこそ、どこで再塗装するかの見極めが大事です。

シンニッケンでは、無料の点検を実施しています

現在の状況を確認しながら、ALCの性能を生かします。再塗装の時期の判断にも役立てられますのでご活用ください。

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