雨漏り発見!屋根塗装で直せる?原因はどこに?
最終更新 : 2024.07.16
屋根塗装を見たとき、あなたは何を考えますか?
屋根には雨漏りなどを防ぐほかにも、さまざまな役割があります。
屋根の重要な役割を理解して、早めの点検とメンテナンスを考えてみてはいかがでしょうか。
屋根塗装の役割
雨風をしのいだり、部屋の中に雨水を浸透しないようにするのが、屋根の大事な役割です。
その屋根の大事な役割を担うのが屋根塗装であり、また屋根材には防水性を持ったものが使用されています。
そう考えると、屋根塗装さえしっかりしていれば雨漏りはしないと思うかもしれませんが、それは少し間違いです。
雨水から守るのは、あくまでも屋根材です。
屋根材を守るため、副次的に雨漏りを防ぐ役割として屋根塗装が必要になります。
屋根塗装がなければ、屋根材は雨水によって劣化が進むのです。
つまり、建物を守るためには屋根が必要で、その屋根を守るためには屋根塗装が必要ということになります。
雨漏り防止には、どちらも必要であり欠かせないのです。
関連記事:シェアを増やしたガルバリウム屋根とは?~寿命やスレートとの違い~
美観効果
建物の色の印象は、面積が大きい部分で決まります。
屋根は壁に次いで大きな面積を持つことから、景観に大きな印象を与えます。
劣化が進んでくると、色つやが衰え汚く見えるのです。これは避けられるものはありません。
見た目にも大きな影響を与えることから、色を変えることで住まいの印象や雰囲気を一新することも可能です。
逆に劣化が進むと、いつ壊れるか不安な建物という印象を与えることになるでしょう。
屋根はそれだけ大きな印象を与える部分ということです。
保護効果
屋根は人間に例えると頭を守る帽子のような役割です。
一番高い位置にあるので、紫外線、雨、空気中の汚染物などに毎日さらされ続けます。
屋根は躯体構造に直接影響を与えないようにしてくれるのです。
しかし、屋根はすべての外的原因に強いわけではありません。
例えば水をはじく屋根材があったとします。ガルバリウム鋼板などが有名ですが、水をはじいても金属なのですぐにさびてしまう屋根材なのです。
これでは短期間で多くの修繕費がかかってしまいます。
そこで屋根塗装で屋根材を守ってあげるのです。
屋根塗装の塗料は屋根材に塗膜となり、くっつきます。雨水もはじく素材なので、屋根材に直接触れないようにしてあげるのです。
それが屋根材の保護につながり、劣化スピードを緩めることができるのです。
機能性付加効果
屋根が帽子の役割とすると、屋根塗装はいろいろな機能を付加してくれます。
例えば遮熱はよく知られた機能といえるでしょう。帽子のように夏の強い日差しから室内を守り、快適に生活できるようになるからです。
屋根塗装によって、日光を反射し熱を吸収しにくくすることができます。
セルフクリーニング
屋根の掃除は難しいと思いませんか?美観を損ねたり、何か問題が出てきたりしても、簡単に屋根に上がって掃除をするわけにもいきません。
そこで便利なのが、セルフクリーニング機能がある屋根塗装です。
この機能は、汚れを表面にとどめ、雨水によって洗い流せることができます。
こうした機能を持つ屋根塗装を選択すれば、美しい状態を保ちやすくなります。
関連記事:屋根塗装にも寿命がある!?マイホームを長持ちさせる塗り替え時期と耐用年数
雨漏りの原因は?
雨漏りには必ず原因があります。この原因を知るとメンテナンスの必要性がわかります。
屋根材のズレや割れ、浮き
屋根材は建物を守るためのものです。
ずれたり正常な位置からめくれあがって浮いたりすれば、その機能を発揮できなくなります。
雨水が浸透し始めると、室内に雨水が流れ込んでしまいます。
このような状態が起こるのは、経年劣化が主な原因です。
時間とともに屋根塗装が劣化し、屋根材を守れなくなるのです。これは災害などによって起こるケースもあります。
谷樋(たにどい)板金の腐食
屋根材は単純に並んでいるわけではなく、雨水を流し落とすための構造を考慮して作られています。
この雨水を一旦ためるのが谷樋(たにどい)板金です。
しかし雨水をためる場所なので、どうしても劣化して腐食が進みやすい場所でもあり、結果としてそれが雨漏りにつながってしまいます。
棟板金のクギの浮き
棟板金も屋根の構造材のひとつです。ずれないように屋根材を釘などで固定してありますが、ゆるんでしまうと正常な位置になりません。
隙間ができたことで雨水が流れ込み、雨漏りを起こすのです。
雨どいの詰まりや壊れ
屋根に降り落ちた雨水を集め下に流すための設備が雨どいです。
雨どいには雨水のほかにも汚れが流れ込み、コケなども発生しやすいので、どうしても流れが悪くなります。
異物が増えてくるとだんだん雨水の流れる場所がなくなり、やがてパンクしてさまざまな場所から雨水が侵入し、それが雨漏りにつながるケースがあるのです。
屋根のコーキング
屋根材には、不必要な隙間にコーキングが施されます。
このコーキングが劣化すれば雨水が浸透する条件になるのです。
ただし逆もあります。屋根材には必要な隙間があり、ここが埋まってしまうと雨水が流れ込み、雨漏りにつながってしまうこともあります。
雨漏り防止に効果を上げる屋根塗装とタイミング
屋根塗装は、屋根材の劣化をカバーし雨漏りを間接的に保護するためのものです。
屋根材ごとに耐用年数と塗り替えの時期を分類してみました。
屋根材 | 耐用年数 | 塗り替えの時期 |
スレート瓦 | 20年~25年 | 10年程度 |
セメント瓦 | 30年~40年 | 10年程度 |
日本瓦 | 50年~ | 塗り替える必要がない |
ガルバリウム鋼板 | 30年~ | 5年~10年程度 |
このように素材からみると、かなり違いがあります。
メンテナンスをしっかりとしておけば、屋根材の寿命は伸ばせるからです。
その分だけ雨漏りによる被害も起こりにくくできるでしょう。
屋根塗装に使われる塗装の種類
屋根塗装には、さまざまな塗料が使われます。
それぞれ特色があり違いがあるので、屋根塗装を考える場合には適切な選択が重要です。
フッ素系
材料の単価としてみるとかなり高価ですが、耐熱性や耐寒性を持った性能の高い塗料です。
耐久性も10年程度と長く、メンテナンスの回数を減らせるので、長期的にみるとかなりお得な塗料です。
シリコン系
標準的な価格帯で知られているのがシリコン系です。シリコンの特性として紫外線に強いことがよく知られています。
汚れも付きにくい防汚性もシリコンの良さです。
耐用年数はフッ素系には少し劣る7~10年程度と考えておけばいいでしょう。
ウレタン系
安価なことで知られているのがウレタン系です。5~7年程度の耐久性は持っています。
光沢が出やすい特徴がありますが、どうしても塗り替えのスパンが早くなるのがデメリットです。
長期的にみると出費は大きくなります。
まとめ
屋根は見た目だけで判断できない難しさがあります。
雨漏りするほど劣化していても、屋根に上がらなければわからないこともたくさんあるからです。
大事なのは定期的に点検すること。
また屋根も塗装すればいいというわけではありません。
必要なときに必要な形で施工しなければ効果をあげられないからです。
特に塗りすぎや縁切りなど、屋根塗装にかかわる問題もあります。
素人や施工経験のない業者が塗り直しすると、逆に悪化させる可能性も出てきます。
必ず信頼できる業者に依頼してメンテナンスしてもらいましょう。