ガルバリウム鋼板の屋根とは?スレート屋根との違いを解説
最終更新 : 2024.09.24
「ガルバリウム 屋根」などの検索ワードで調べているということは、あなたはマイホームの購入や、屋根の修繕、葺き替えなどを検討されている方ということでしょうか?
日本では古くから瓦屋根が主流でしたが、相次ぐ震災や台風などの被害を受け、軽量で扱いやすく耐久性にも優れる「ガルバリウム鋼板」を用いた屋根が普及してきました。
本記事では、そんなガルバリウム鋼板の屋根について、スレートをはじめとした他の屋根材との比較やおしゃれな人気色の紹介、耐用年数、葺き替えにかかる費用などの気になるトピックについて深掘りしていきます。
ガルバリウム鋼板をはじめとした屋根材選びでお悩みの方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考になさってください。
Contents
ガルバリウム鋼板の屋根とは?
まずはガルバリウム鋼板の屋根についての基本情報を見ていきましょう。
そもそもガルバリウムとは?
「ガルバリウム」というのは、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン(ケイ素)1.6%を合成した特殊合金のこと。
冒頭でも触れたとおりの扱いやすさが特徴で、屋根をはじめ主に建築用素材として重宝されています。
日本でも多くのシェアを獲得
ガルバリウム鋼板の屋根について最新のデータ(※)では、あくまでジンカリウム鋼板との一緒の括りになってはいるものの全国で52.3%、特に北海道では67.6%と高い普及率を誇っています。
※参考:https://www.jhf.go.jp/files/400346801.pdf
ガルバリウム鋼板の特徴
続いてガルバリウム鋼板がどのような特徴を持つ合金なのか見ていきましょう。
耐久性に優れる
特に酸化への強い耐性を持つアルミニウム、亜鉛、シリコン(ケイ素)を合成することにより、優れた錆耐性を獲得しました。
錆びにくい特性により長い耐用年数を誇ります。
非常に軽量
スレートや瓦といったその他の屋根材と比較しても非常に軽く扱いやすいのがメリット。
軽い=脆いといった心配を抱かれるかもしれませんが、前述したとおり耐久性が高く耐震性も持ちあわせています。
耐熱性・防水性が高い
熱に強く高温下でも簡単には変形や変性を起こしません。
また、水分をほとんど吸収しないため、防水性にも優れています。
リサイクルが可能
先にも述べているとおり耐用年数が長く、その間に変形や変性を起こしにくいため、一度使用したものをリサイクルすることが可能です。
近年のSDGsの考え方にも合致しており、今後ますます注目される素材となるでしょう。
断熱性・遮音性は低い
注意しなければならないのは、非常に薄い合板であるため断熱性や遮音性には期待できない点。
ガルバリウム自体は高温に強い特徴を持っていますが、これは熱を通さないという意味ではなく「高温に熱されても変形・変性しにくい」ということです。
ガルバリウム鋼板とスレート屋根の違いは?
日本でメジャーなスレートや瓦との違いを説明します。
ガルバリウム鋼板はスレートよりも軽量で耐久性が高く、耐震性にも優れています。一方、スレートはセメントと繊維を混ぜた素材なため重量があり、断熱性や遮音性が魅力です。
メンテナンス性はガルバリウムに軍配が上がり、メンテナンスにコストが必要なため、長期的な費用面でもガルバリウムがより優秀ということになるでしょう。
しかし、カラーバリエーションが豊富でデザイン性が高い点はスレートの強みです。
関連記事:スレート屋根はこれを読めばわかる!寿命にかかわる構造と補修まで
ガルバリウム鋼板とその他の屋根材の違い
スレート以外の屋根材との違いは下記のとおりです。
瓦との違い
瓦は日本家屋の伝統的な屋根材であり、断熱性や遮音性に優れ、耐久性も非常に高いのが魅力。
ガルバリウムは錆に強いとはいえ金属である以上錆びる可能性を否定できませんが、瓦は錆びることがなくメンテナンスの手間が少ない点も特長といえるでしょう。
ただし一枚一枚が重く、何枚も重ねるため災害などで崩れた際には被害をもたらしやすいです。
ガルバリウム屋根の種類と勾配について
ガルバリウム鋼板の屋根は葺き方にいくつかのパターンがあります。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
縦葺き
画像のように屋根材を縦方向に配置する葺き方で、雨水がスムーズに流れやすく耐水性が高いのが特徴。屋根の勾配が急な場合や大雨の多い地域に適しています。
シンプルでモダンな外観になり、縦方向に継ぎ目が少ないため雨漏りのリスクが低いのが良い点でしょう。
デザインが単調になりやすく、横風に対してはやや弱い場合があるのが短所です。
横葺き
屋根材を横方向に配置する葺き方で、伝統的なデザインに適しており和風と洋風どちらの住宅にも適合します。
横方向に重なる部分があるため風に強く、台風などにも対応しやすいです。
縦葺きに比べて継ぎ目が多くなる関係上、雨漏りのリスクがやや高くなる可能性があります。
平葺き
平らに仕上げる葺き方で、モダンなデザインの建物によく合います。屋根の勾配が緩やかな場合に使用されることが多いです。
スタイリッシュな外観を持ち、設計の自由度が高いのが長所といえるでしょう。
水はけが悪くなる可能性があるため、適切な勾配や排水計画が必要です。
瓦棒葺き
屋根の中心部に棒状の部材(瓦棒)を配置し、その上に屋根材を固定する方法です。伝統的な和風建築によく見られる葺き方です。
立体感があり、伝統的なデザインと現代的な機能を融合させることができます。
施工に手間がかかるため、コストが高くなることがあるのが短所といえそうです。
ガルバリウム屋根のおしゃれな人気色を紹介
ガルバリウム屋根は和風と洋風どちらの家にもマッチし、おしゃれさを演出するのに一役買ってくれます。
ここでは、特に人気の色を紹介します。
ブラック
シックでモダンな印象を与える黒はスタイリッシュなデザインの建物に多く採用されます。シンプルな外観と都会的なイメージを持つ住宅におすすめです。
ネイビー
落ち着きと高級感を兼ね備えたネイビーはモダンな住宅や和風建築によく調和します。個性的な色合いを求める方に人気があります。
シルバー(メタリックグレー)
近代的でクールな印象を与えるメタリックグレーは、工業的なデザインやモダンな建築によく合います。シンプルでありながら存在感のある色です。
オレンジ(ブラウン系)
自然素材との相性が良く暖かみのあるブラウン系は、ナチュラルなデザインや伝統的な家屋に合います。耐候性があり、汚れが目立ちにくいという実用性も持っています。
ガルバリウム鋼板の屋根の耐用年数
ガルバリウム鋼板の屋根の耐用年数は、通常30年~40年程度とされています。
ただし、使用環境やメンテナンスの頻度も耐用年数を左右する要素となります。定期的にメンテナンスを行うことで長持ちすることもあれば、もちろん逆のこともいえるでしょう。
また、ガルバリウム鋼板は錆びにくいのが特長ですが、長期間使用するうちに、特に傷が入った部分や切断面などから錆が発生する可能性があるため、適切なメンテナンスが推奨されます。
関連記事:屋根塗装にも寿命がある!?マイホームを長持ちさせる塗り替え時期と耐用年数
ガルバリウム鋼板の屋根のメンテナンスについて
前述したように、ガルバリウム鋼板は耐用年数が長いからといってメンテナンスが不要というわけではありません。
寿命を少しでも延ばすために必要なメンテナンスについて知っておきましょう。
定期的な点検
少なくとも年に1回、特に台風や大雨の後は、屋根の状態を確認することが重要です。
少しでも違和感や気になる点があれば、すぐに専門業者による点検を行うことが推奨されます。
屋根材の色あせ、錆、浮き上がり、破損箇所などを確認してもらいましょう。特に切断面や接合部は錆が発生しやすいので注意が必要です。
洗浄方法
ガルバリウム鋼板は錆びにくいですが、汚れや苔、カビなどが付着すると見た目が悪くなるため、年に1回程度の洗浄が推奨されます。
例え平屋であっても地上3~4m程の高さでの作業となるので、必ず専門業者に依頼しましょう。
錆の対処
いくらガルバリウム鋼板が錆びにくいといっても、絶対に錆びないということではありません。
万が一錆が見つかった場合は早めにサビを取り除き、錆止め塗料を塗布する処置が必要となります。
塗装・再塗装
通常は10~15年ごとに塗り替えが推奨されています。塗装により防錆効果が高まり屋根の寿命を延ばせます。
また、色あせや塗装の剥がれが見られる場合、被害が全体に広がる前に再塗装しましょう。
修繕
瓦棒や縦葺きなどの葺き方に応じて、浮き上がったり破損した部分を早期に修理することが重要です。
放置すると雨漏りの原因となるため、問題が発見されたらすぐに修理を行います。
とはいえ、こうした兆候は下から見上げても分かりません。自分で屋根に登るのは非常に危険なので、専門業者に見てもらいましょう。
ガルバリウム屋根への葺き替えにかかる費用
ガルバリウム屋根への葺き替えにかかる費用は、屋根の面積や選ぶガルバリウム鋼板の種類、施工方法によって異なります。
一般的な費用の目安
一般的な住宅(約100㎡)の場合、総額でおおよそ80万円〜150万円程度となるでしょう。内訳は下記のとおりです。
基本的な費用
- 10年保証プラン:約5,000〜8,000円/㎡
- 20年保証プラン:約7,000〜10,000円/㎡
- 30年保証プラン:約10,000〜14,000円/㎡
その他の費用
- 既存の屋根材の撤去費用:約1,000〜2,500円/㎡
- 廃材処理費用:約1,000〜2,000円/㎡
- 施工費:約2,000〜3,000円/㎡
カバー工法なら費用が抑えられる可能性も
カバー工法とは既存の屋根材を撤去せず、その上に新しい屋根材を重ねて取り付ける施工方法です。
既存の屋根をそのまま利用できるため、廃材処理費用や撤去費用を削減できるメリットがあります。
また、工期が短縮されることで費用全体を抑えることが可能です。
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まとめ
本記事ではガルバリウム鋼板の屋根について解説しました。
ガルバリウム鋼板の屋根は洋風と和風どちらのテイストの家にもマッチし、おしゃれさを演出してくれます。
また、耐用年数が長いことから、長期的に見た場合のメンテナンスコストを節約できるのも嬉しいポイント。
リサイクルも可能であるためSDGsの考え方とも適合し、さまざまな観点から優れた屋根材であるということができるでしょう。
マイホームを購入する際や屋根の葺き替えを行う際は、ぜひガルバリウム鋼板をご検討ください。