外壁塗装の難燃性?防火・耐火塗料って?万が一に備えた選び方について解説

最終更新 : 2024.10.25

外壁塗装の難燃性?万が一に備えた選び方

周辺地域で火事が発生した状況を考えてみましょう。

火の力は強く、どんどん燃え広がっていくかもしれません。

そのときに自分の家にも火の手が迫ってくれば、多くのものを燃え失うかもしれないのです。

家は可燃性のものが多く使われています。

建築基準法でかなり変わりましたが、それでもすべて燃えないもので構成されているわけではありません。

隣家の火事で自分の家が燃えることも多いのです。

外壁塗料には、難燃性の性質を持った製品があります。

周辺で火事が起きたときでも、防火できる可能性が出てくる外壁塗装です。

すべて守れるわけではありませんが、いざというときに火事から少しでも守ってくれる可能性が広がります。

難燃性の外壁塗料が選ばれるようになった理由を考えてみましょう。

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火事になったときの外壁塗装

外壁塗装の難燃性?万が一に備えた選び方

火事はあらゆるものを燃やそうとし、大きな被害を発生させます。

火事の火に境界など存在せず、燃えるものを食い尽くそうとするでしょう。風があればさらに勢いを増します。

火事で最も怖いのは、火元だけの被害では済まないところです。さまざまなところに飛び火し、被害を拡大していきます。

現在では難燃性や不燃性の建築材が多く使われるようになり、できるだけ延焼を防ぐ措置が取られるようになりました。

そのひとつとして、外壁塗装も含まれています。

難燃性の外壁塗料のメリット

近隣で火災が起きると、燃えたものから火の粉が飛びます。

風に乗って火の粉も拡散すると、人間の手では簡単に止められません。

延焼がわかっていても、容易に手が出せないからです。

もちろん、消火活動をするでしょう。

水をかけたり、消火器も使ったりするはずです。消防車が到着しても、延焼のすべてを止められるわけではありません。

それほど火事の炎は恐ろしいものなのです。

実際に2階建て木造住宅が燃え尽きるまでの時間は、わずか20分といわれています。

これは裸構造を想定しており、1階で出火したケースです。

2分も経てば壁やふすま、扉などに燃え移り、3分後には天井が燃えていると考えられます。5分後には隣の部屋へ出火。空気の流れに乗って一気に燃え広がります。

これがフラッシュオーバーと呼ばれる現象です。

7分後には天井を突き抜けて2階に延焼が広がり、わずか20分で木造1件全焼します。

その間に、火は外に広がり、周辺家屋へ延焼する可能性が出てくるのです。

現在では延焼防止性能も問われるようになりました。建築基準法において、壁や柱に対しても耐火性能を求めています。

外壁も防火性能があれば、延焼防止に役立つと考えられているため、性能を確保しなければいけなくなりました。

難燃性外壁塗料は、延焼防止に役立てられる塗料であり、それだけ被害を少なくできます。

火がつくまでの時間を稼げるため、消火や避難活動にもつながる大事な要素になるでしょう。

難燃性の外壁塗料のデメリット

外壁塗装を難燃性に変えた場合、デメリットは「火事以外では活躍の場がないこと」です。

効果を発揮するのはリスクが生じたときだけで、平時には恩恵はありません。

しかし、保険も同じだと思いませんか?

保険は有事の際に役立ちます。転ばぬ先の杖といってもいいでしょう。

いきなり役立つことはないというデメリットの代わりに、いざというときは自分たちを守る盾になるかもしれませんし、資産を守ってくれるかもしれませんよね。

もちろん、外壁塗装という出費は生じます。それでも、それ以上の価値をもたらす盾となるのです。

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防火塗料はどうして火を防げるのか?

外壁塗装の難燃性?万が一に備えた選び方

防火塗料は、特殊な化学成分を含むことによって火を防ぐ機能を持っています。

どの防火塗料の使用するかは塗装する基材の種類に応じて選択され、防火性能の発揮方法も異なります。

例えば、発泡形防火塗料の場合、熱にさらされると膨張して断熱層を形成する物質が含まれており、火災時に炎や高温から基材を保護します。

この断熱層は、熱伝導を遅らせることで、建物の構造体が火災による高温にさらされる時間を延ばし、建物の耐火性能を向上させます。

また、防火塗料には、燃焼を抑制する防炎成分も含まれていることがあり、これにより火の広がりを抑える効果も期待できます。

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難燃性も含まれる防火塗料とは

難燃性の外壁塗装は、防火塗料という枠組みが作られています。

この枠組みは、さらに3種類に分けられ、それぞれ性能や利用目的が異なる点に注意が必要です。

発泡形防火塗料

発泡形防火塗料は、塗装してしまえば見た目に違いがわかりません。普通の塗膜を形成するからです。

大事なポイントは、火災などの高温にさらされたときの形状にあります。

外壁塗装として熱にさらされると、発泡と炭化するところが重要です。

体積が数十倍から数百倍にも発泡して炭化しながら不燃ガスを発生させます。

この効果により、建物の機材まで熱が及ぶのを防ぐのです。

着火温度まで上昇する時間を稼げるため、防火塗料として使われるようになりました。

非発泡形防火塗料(難燃性)

発泡しないで火に耐えるのが、非発泡性防火塗料です。一般的に難燃性塗料と呼ばれている塗料にあたります。

外壁塗料には有機溶剤が使われていますが、これに難燃剤を添加して作られた製品です。

膜厚に熱が加わると消化性ガスを発生させる自己消化機能を持っています。

この消化性ガスは、炎が迫ってきたときに発生している加熱性ガスを薄めてくれたり、成分のホウ酸亜鉛が結晶水を保存しており熱に合わせて放出したりするのが特徴です。

これらの機能によって表面温度が低下するため、炎による熱を下げられ、熱伝道を抑制できます。

非発泡形防火塗料(不燃性)

非発泡性防火塗料の中でも、完全不燃性を持っているものを指します。

大量に無機顔料を配合しているのが特徴で、硬化剤を加えているため燃えにくくなるのです。

無機材は燃えることのない素材であり、水ガラスや金属リン酸塩などを使っています。

不燃性を持つ代わりに、断熱性は持っていません。

塗料自体は不燃性ですが、可燃物に塗装したとしても、すべて不燃化するわけではない点にも注意が必要です。その代わり、高い耐熱性を持ちます。

無機材の特徴として、高い強度を発生でき、着色も自由です。

しかし、扱いは複雑になり、作業性は下がります。下地の密着性が低く、塗膜の柔軟性もほかの塗料より劣ることなどがデメリットです。

耐火塗料

耐火塗料は一般的な外壁塗料とは異なります。

火に耐えることを目的とした塗料で、鉄骨を守るために使われます。

基本的に発泡型の塗料で、50倍程度まで発泡して断熱層を形成します。

1時間や2時間の耐火テストなどもおこなう塗料で、被覆材のような脱落がありません。

鉄骨を対象とするため、外壁塗装に使われることがない種類です。

関連記事:外壁塗装と紫外線の関係!?UVとはなんのこと?

難燃性とはなにか

防火塗料にも種類がありますが、難燃性と不燃性の違いが大きな焦点になるでしょう。

難燃性とは、燃えにくいという意味があります。

燃える可能性があるが延焼の速度は遅いことを意味した言葉です。

建築基準法には、加熱から開始して5分以内は燃焼しないことが挙げられています。

他にも、変形や融解・亀裂を生じないこと、避難に問題がある有毒ガスを発生しないことなども定義されているのが特徴です。

これらの性能を持つものは、国土交通大臣が認定すれば難燃材料として使用できます。

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不燃性とはなにか

外壁塗装の難燃性?万が一に備えた選び方

不燃性とは、燃焼しない性質を持つことを意味しています。

火にさらされても燃えないか、極めて燃えにくい性質を持っていなければいけません。

不燃材としての認定基準は、20分間燃焼しないなどがあげられます。

他にも、難燃材料と同じように変形やガスなどの条件を満たすことによって、国道交通大臣が認定します。

難燃性よりもはるかに条件は厳しくなりますが、少なくとも外壁塗装は燃えずに耐えるため、安全性はかなり高くなります。

関連記事:外壁塗装で光熱費を節約?断熱と遮熱の違いと効果

まとめ

難燃性を持つ外壁塗料は、一般的な製品にも取り入れられるようになってきました。

しかし、難燃性だからといって、火事が起きても平気というわけではありません。火事自体を防ぐものではないからです。

保険という意味では、延焼を防いだことによって、ほかの家に飛び火しないで済む可能性も出てきます。

自分の庭が出火元で、物置などが燃えたとしましょう。母屋が難燃性の外壁塗装で耐えられたとしたら、消化時間を稼げます。

これで延焼を防げたのであれば、火事に対する保証はかなり少なくなるからです。

こうした点からも、保険的な役割を持つことがわかります。

難燃性は、あくまでも燃えにくい性能です。

不燃性でも塗料が燃えない範囲にとどまります。家の耐火性は総合的な部分で影響を受ける性能ではありますが、一番外側になるのが外壁塗装です。

延焼が広がってきた場合には、最初に熱の影響を受けます。

景観なども大切ですが、自分の生活環境を守り、大きな損害を被らずに済む点を考慮しても、性能を把握したうえで外壁塗装を選ぶことが大切なことでしょう。

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