吹き付けによる外壁塗装とは?メンテナンス方法やおしゃれに仕上げる為のポイントを解説

最終更新 : 2024.10.25

外壁の吹き付けは減少傾向?メリットとデメリットをご紹介

塗装にはさまざまな施工方法があります。外壁塗装も同様で、これまで多くの施工方法が作られてきました。

吹き付けもそのひとつで、施工数としては減少していますが条件によって選択される方法です。

そもそも吹き付け塗装とはどのようなものなのでしょうか。なぜ減少したのか、外壁の部分からも見ていきましょう。

職人の技術力との関連もありますので、外壁塗装の塗り替えとも関係してきます。

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吹き付け外壁塗装とは?

吹き付け塗装の基本情報について解説していきます。

吹き付け塗装の特徴

そもそも吹き付け塗装とはなにでしょうか。

吹き付け塗装とは、噴霧器を使った塗装方法です。

スプレーガン塗装とも呼ばれます。乾燥した空気を送り込み、容器に入った塗料を塗装面に吹き付ける方法です。

塗料だけを圧縮して飛ばすエアレス方式もあります。

もともと外壁塗装は刷毛塗りでしていましたが、吹き付け塗装をすることで一気に効率的になりました。

機械ですので、作業スピードが手作業より圧倒的に速かったからです。

プラモデルなどの塗装で、エアブラシを見たことはありませんか?絵画でも使うことがありますよね。

車など工業製品の塗装にも使われているので、どこかで見たことがあるでしょう。構造的には規模が違うだけで同じです。

外壁塗装では、一般的な住宅では基本としてローラー塗装が使われています。小さな部分は刷毛でカバーするのが基本です。

ここには速いだけではない理由があるからです。

関連記事:外壁塗装の種類とは?あなたに合った塗装をプロが解説

ローラー塗装・刷毛塗りとの違い

塗装には、吹き付け塗装の他に、ローラー塗装と刷毛塗りがあります。

以下にそれぞれの塗装方法の特徴・利点・欠点をまとめました。

現在の塗装は、効率的に行えるローラー塗装が主流ですが、作業箇所によっては刷毛で塗装を行います。

吹き付け塗装特徴エアガンで塗料を吹き付ける
利点均一で滑らかな仕上がり
作業が早い
欠点塗料が飛散しやすい
高い技術が必要
ローラー塗装特徴ローラーで塗料を塗る
利点効率的な塗装
簡単に扱える
欠点細部の塗装に弱い
質感が変わることがある
刷毛塗り特徴刷毛で塗料を塗る
利点細部まで丁寧に塗れる
塗料のコントロールがしやすい
欠点作業に時間がかかる
技術が必要

吹き付け塗装の種類と選び方

吹き付け塗装では、特徴的な塗装方法がいくつかあります。

特にこの4つの塗装方法は、吹き付け塗装の特徴といってもいいでしょう。

リシン仕上げ

塗料のなかに骨材である砂などを入れて吹き付ける方法です。

吹き付け塗装の代表格ともいえる方法で、モルタル外壁に多く使われてきました。

塗膜はかなり薄く仕上がるため、通気性に優れた塗装方法で、学校の外壁などにもよく使われることからもALCにも使われています。

施工価格も安く、とにかく施工が早いのも特徴です。

見た目は落ち着いていますが、凸凹ができる分だけ汚れもたまりやすく、黒ずんで見えることも少なくありません。

耐久性も高くないため、10年程度で塗り直しなどメンテナンスに入ると思っていいでしょう。

ボロボロと骨材が落ちてくるのもデメリットです。

吹付タイル仕上げ

タイルという名前がついていますが、塗装工事のひとつです。玉吹きとも呼ばれています。複層仕上げとも呼ばれており、何回かに分けて吹き付けられます。

ほかの方法と比べて骨材は使っておらず、ランダムな大きな凸凹を作りますがざらついていません。

あとからローラーでつぶす方法もあります。

陶器のような仕上がりになることからタイルと呼ばれていますが、印象はとても柔らかくデザインのバリエーションも豊富です。

複層になることからひび割れに強く、同じような塗装を手作業でおこなうより安価になります。

最大の問題は意匠性の高さです。美しいデザインを作れますが、これも職人の技量にかかっています。

つまり、だれでも同じような高いレベルには作れません。これまでの技量が重要になるため、人件費がかかります。

ほかの方法と同様に汚れもたまりやすいため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

スタッコ仕上げ

セメントや砂などの骨材を混ぜて吹き付ける方法です。

凸凹した仕上がりになりますが、リシンより細かくなるため、重厚感が増します。

デザイン性の高い塗装で、膜厚もある程度できることから耐用年数も長くなる方法です。

リシンと同様に凸凹ができるため、汚れがつきやすく、長期間放置すると落ちにくくなります。

職人の技量に左右される部分が多いことからも、仕上がりの難しい方法です。

再塗装する場合にも、凹凸が増えることから、塗料の使用量が増えます。

その増加量は一般的な塗装の3倍ともいわれるほどになるため、メンテナンス費用は高いと思っていいでしょう。

スキン仕上げ

セラミック塗装とも呼ばれるのがスキンです。

大理石などの細かな骨材を吹き付ける方法で、塗装面が非常に強固に仕上がります。

塗料は骨材をつなぐ接着剤の役割となることから、そこまで性能が重視されないため、アクリル系やシリコン系の塗料が使われる方法です。

使う骨材で仕上がりの雰囲気が変わります。

骨材が主体となることから通気性は高く、凸凹があることで劣化がわかりにくい特徴がありますが、やはり汚れがたまりやすい問題を抱えます。

骨材は撥水性が高いわけではなく、塗膜が薄れると浸透しやすくなるのもデメリットです。

骨材を付着させることからも、モルタル外壁やコンクリート外壁などにしか使われません。

劣化するとボロボロと汚く落ちてくるのもスキンの特徴です。メンテナンスの費用もかかります。

関連記事:ALCの寿命は50年?外壁塗装が支える重要なポイントとは

吹き付け塗装が減少している理由

外壁塗装と吹き付け塗装には、大きな関係があります。なぜ吹き付け塗装が減ってきたのかをお伝えします。

モルタル外壁の減少

モルタル外壁は、職人の技量に左右されやすいほか、どうしても現場施工という問題を抱えます。

現場で施工する以上、どうしても品質が均一にならないのです。

さらに天候にも左右されますし、工程も長く伸びます。

工場で生産されるサイディングは、品質も一定に加工しやすく、現場の工程に左右されません。

表面も平滑でとても扱いやすかったのです。職人の技量にも左右されにくいことから、現在のように多くのシェアを獲得していきます。

モルタル外壁の衰退から、吹き付け塗装も必要性が下がりました。

気泡などの目をつぶしながら、一定の膜厚を確保しやすいローラーのほうが効果的だったからです。

ロスも大きく、職人の技量に左右される吹き付け塗装は必要性は下がりました。

規模の大きな外壁塗装では吹き付けも使われますが、一般住宅ではほとんど見かけなくなったのです。

塗料飛散と臭いの問題

吹き付け塗装ではロスの問題がありますが、これはどこに飛んでいくでしょうか。

養生材につくなら簡単に除去できます。足場でもある程度は許容できるでしょう。

もしかしたら、周囲のお宅に飛ぶかもしれません。さらに遠くに飛散する可能性もあります。

粒子になった塗料は風に乗りやすく、関係ない場所に付着することも出てくるからです。

そうなると、大きなリスクを抱えるため、厳重な養生が必要です。塗装自体に手間は少なくても、ほかのことに手がかかるのです。

飛散しやすいほど粒子が軽くなれば、臭いも拡散しやすくなります。

水性塗料を使うようになり、かなり軽減されたのは事実です。

それでも、臭いはゼロになるわけではありません。このようなリスクも、吹き付け塗装には隠れています。

騒音問題

コンプレッサーを必要とする吹き付け塗装は、必ず機械の音が出ます。

音が出ても問題なければいいでしょう。しかし、周囲のお宅は寝耳に水です。

自分達の外壁塗装がきれいになるわけでもないのに、ずっと音が聞こえます。

それもリズムが決まった音が、日中鳴り響くのですからいい気持ちはしません。

小さなお子さんがいれば、音を嫌がり泣き始めるかもしれません。ペットも同様です。

短期間で済むのなら問題も少ないかもしれませんが、事前に根回ししておかないと、あとで大きな問題になるかもしれないのです。

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吹き付け塗装がおすすめなケースとは?

吹き付け塗装が減少してきたとはいえ、条件によっては吹き付け塗装が効率的な場合があります。

その例を見ていきましょう。

施工費用を抑えたい

施工費用で見ると、吹き付け塗装はローラーでの施工より安上がりになる可能性があります。

工事費の大半は人件費です。人数が多くなり時間がかかれば費用は高騰します。

吹き付け塗装の場合、機械が働いてくれる部分が多いため、人件費を減らす効果が期待できるのです。

安く仕上がるため、施工費用の問題を考慮するならば吹き付け塗装がいいでしょう。ただし、塗料代はロスの分だけ高くなります。

吹き付け塗装の場合、1人工あたりの費用は高くなります。高い技量を持った職人が必要であり、だれでも施工できるわけではないからです。

問題は、今回の施工だけで見れば安く上がるかもしれません。

ですが、塗膜は薄くなりやすいことからも、再塗装のタイミングが早く来ます。

長期的スパンで多くの費用を必要とするケースが増えるため、注意しなければいけません。

立体感を求める

外壁塗装として立体感を求める場合には、骨材を使える吹き付け塗装が向いています。

吹き付け塗装で骨材を使えば、陰影が現れやすく立体感が出てくるからです。重厚感のある塗装にしたいときにも吹き付け塗装がいいでしょう。

これまで指摘してきましたが、凹凸ができれば汚れがたまりやすくなります。

立体感が作れても、メンテナンスの費用がかかることは考慮してください。

デザイン性を重視したい

スプレーガンを使う吹き付け塗装の場合、ストリートアートのような絵も描けます。

オリジナルのデザイン性を考慮したいなら、吹き付け塗装がいいでしょう。

もちろん、施工する職人の技量によって大きな差が生まれるため、満足できる仕上がりになるとは限りません。

デザインの再現性をどこまで許容できるのか、職人の技量も含め検討する必要が出てきます。

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吹き付け塗装のメンテナンス方法

吹き付け塗装を行った場合のメンテナンス方法をご紹介します。

定期的な洗浄

吹き付け塗装の外壁は、定期的な洗浄が重要です。

洗浄を行うことで、表面に付着したホコリや汚れ、カビやコケなどを取り除くことができ、外壁の美しさを保つだけでなく、劣化の進行を防ぐ効果もあります。

特に、都市部や海沿いなど、汚れやすい環境では、半年から1年に一度の洗浄をおすすめします。

高圧洗浄機を使用することが一般的ですが、塗膜に負荷がかからないよう、適切な圧力で行うことが重要です。

劣化部分の補修

吹き付け塗装は、年月が経つにつれて、ひび割れや剥がれといった劣化が生じることがあります。

これらの劣化部分を放置すると、雨水が浸入し、建物全体の耐久性に影響を与える可能性があります。

そのため、劣化を見つけたら早めに補修することが重要です。

補修には、ひび割れ部分に専用のシーリング材を充填する方法や、剥がれた部分に再度塗料を吹き付ける方法があります。

補修作業は専門業者に依頼するのが確実です。

再塗装のタイミング

吹き付け塗装の耐久年数は、一般的に10年から15年とされていますが、環境や塗料の種類によって異なります。

再塗装のタイミングは、外壁の色あせ、塗膜の剥がれ、ひび割れの広がりなどの兆候を目安に判断します。

また、定期的に専門業者による点検を受けることで、適切な時期に再塗装を行うことができます。

再塗装を行うことで、外観を美しく保つだけでなく、建物の防水性能や耐久性を高めることができます。

関連記事:外壁洗浄は外壁を美しく保つだけではない!ポイントをわかりやすく説明

外壁をおしゃれに吹き付け塗装する際の注意点

おしゃれに吹き付け塗装をするためにも以下のポイントをしっかりとおさえておくと良いでしょう

おしゃれな色選びのバランス

外壁の色選びは、建物全体の印象を大きく左右します。

色を選ぶ際には、周囲の景観や隣接する建物との調和を考慮しながら、バランスの取れた色を選ぶことが重要です。

たとえば、落ち着いた色合いを選ぶことで、周囲に溶け込みつつも上品な印象を与えることができます。

一方、アクセントカラーを加えることで、個性的で目を引くデザインにすることも可能です。

ただし、あまりにも派手な色や強いコントラストは、長期間見ると飽きやすく、周囲の景観にそぐわないこともあるため、慎重に選びましょう。

外観にマッチする質感

色だけでなく、外壁の質感も外観の印象に大きく影響します。

建物のデザインや用途に合わせて、滑らかな仕上がりやザラザラとした質感など、適切な質感を選ぶことが大切です。

たとえば、モダンな建物には滑らかでシンプルな質感が合う一方、クラシックなデザインの建物にはスタッコ仕上げのような重厚感のある質感がよくマッチします。

質感の選び方一つで、同じ色でもまったく違った印象を与えることができるため、建物全体のデザインコンセプトに沿った質感を選びましょう。

カラーシミュレーションを活用する

実際に塗装を行う前に、カラーシミュレーションを活用することを強くおすすめします。

カラーシミュレーションでは、事前に選んだ色や質感がどのように外壁に反映されるかを確認することができ、仕上がりのイメージを具体的に掴むことができます。

これにより、塗装後に「イメージと違った」という失敗を防ぐことができます。

また、複数の色や質感を試すことで、最適な組み合わせを見つける手助けにもなります。

カラーシミュレーションを使って、納得のいく選択をした上で塗装を進めると、理想の外観に仕上がるでしょう。

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吹き付け塗装をを再塗装する方法

吹き付け塗装の外壁は、さまざまな再塗装方法が考えられます。

劣化が進むと外壁塗装としての役割を果たせなくなるため、再塗装はとても重要な方法です。

ローラーを使用した塗装

再塗装の方法として現在最も有効なのはローラーでの施工になるでしょう。

もともとの塗装の種類によっても違いますが、ローラーで仕上げることで手早く再塗装もできます。

ただし、これまでと風合いが変わるため、同じようにしたい場合には別の方法を選択しなければいけません。

再度吹き付け塗装する

再塗装の方法として、再び吹き付け塗装をする方法があります。

もともと凹凸に対しても強い効果を発揮する吹き付け塗装ですので、相性は抜群です。

ただし、同じデメリットを抱え続けることも考慮しなければいけません。厚ぼったくなることもデメリットです。

関連記事:外壁塗装に適した季節はいつ?塗料との関係を考えてみよう

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まとめ

現在ではあまり使われなくなった吹き付け塗装ですが、メリットもあればデメリットもあります。

それでも、複合的に仕上げに吹き付け塗装を選ぶケースも少なくはありません。

ポイントは仕上がりに職人の技量が影響する点です。

本当に吹き付け塗装を選ぶべきなのか、細かく検討しなければいけないでしょう。

お困りの際はシンニッケンにぜひご相談ください。