外壁塗装の色はカラーシミュレーションが大事!後悔しない為にもまずはシミュレーション!
最終更新 : 2024.10.25
外壁塗装の色を決めることは非常に大切な決断ですが、どんな色になるか想像できるでしょうか。
色は見る人によって、受け取る感覚にも違いが出てきます。
実際の仕上がりに近い色合いを知ることが大切ですが、塗ってみてから考えるわけにもいきません。
失敗したとしてもお金がかかりますし、簡単に塗り直せないからです。
そこで活用されるようになったのがカラーシミュレーションです。
Contents
外壁塗装の色の決め方
外壁塗装の色は、家によって違うといっていいほど千差万別です。
実際に比べてみると、似たような色でも思いのほか違うことも分かります。
好みもありますし、基材となる壁材によっても発色や使われる外壁塗料が違うからです。
日の当たり方でも色合いに差が出てくるなど、さまざまな条件が色の見え方に影響を与えています。
外壁塗装を決める際にも、いろいろな方法を使って試しつつ決めていくことになるのです。
色見本
スタンダードな方法として使われてきたのが色見本です。
見本帳とも呼ばれますが、塗料メーカーなどが施工店に配布もしくは貸与しています。
標準色を基本としていますが、非常に多くの色を見ることができる方法です。
販売しているカラーなので、実際の色に近いのは確かですが、下地の色が違うところに注意しなければいけません。
色見本には必ず色番号も添付されています。
この色番号をメーカーに注文すれば、同じ色が届くのも色見本の特徴です。
塗り板
一般的にはA4サイズの板に塗装したものを指します。
施工会社が独自に作る場合もありますが、色見本と同様にメーカー製も存在しているため、かなり精度の高い見本です。
実際に板に塗装しているため、色見本よりも現物に近づきます。
ただし、外壁材が同じというわけではないので、近づけることしかできない上、種類も絞り込込まれています。
メリットは、手触りなどの質感が分かるところです。
その場で触ることができるだけではなく、日の当たり方による違いも分かりますし、家の外壁にあててみて違いを見ることにも使えます。
カラーシミュレーション
カラーシミュレーションとは、パソコンを使って疑似的に外壁塗装した状態を作り出す方法です。
専用のソフトを使って、実際の外観写真を取り込んでイメージを作り出すため、本物に近い感じを実現できます。
カラーシミュレーションのいいところは、その場で色を変えることができる点です。
複数の色に分けるといったことも可能で、比較してみるだけでイメージを膨らませられます。
しかし、カラーシミュレーションも万能というわけではありません。
例えば光の加減などは再現しきれないところがあります。逆に中立の状態を作り出せるので、どういう条件で参考にするかも考えて利用するのがポイントです。
関連記事:【外壁塗装色の選び方】あなたの好みはなに色?ポイントを解説
色の面積の効果
外壁塗装の色を決める際には、色の面積効果を意識しなければいけません。
人間の目は思っている以上に正確なものではなく、さまざまな条件の影響を受けます。そのひとつが色の面積効果です。
明るい色を小さな見本に塗ったとします。このときに四隅を見ると暗く見えることがあります。
逆に暗い色を大きな見本にすると、四隅はくすんで見えるのです。
面積効果は、実は人間の脳が引き起こす錯覚にあります。
人間の目には視細胞と呼ばれる細胞が網膜の上に並んでいますが、均等に並んでいるわけではありません。
これが見え方に狂いを生じさせるのです。目の構造が影響して、明るさや周りの影響を受けて面積効果を引き出してしまうのです。
カラーシミュレーションの色の見え方
カラーシミュレーションでの色の見え方は、実際の色と多少異なる場合があります。
これは、コンピューターのモニターやスマートフォンの画面に表示される色が、実際の塗料の色と正確に一致しないことが原因です。
モニターやディスプレイの種類、設定、照明条件などによっても色の見え方は変わるため、カラーシミュレーションはあくまで参考として利用するのが良いでしょう。
最終的な色の選択は、実際の塗料のサンプルを確認したり、専門家の意見を参考にしたりすることが重要です。
また、環境光や周囲の色との調和も考慮に入れながら、実際の塗装に適した色を選ぶことが大切です。
関連記事:仕上がりに影響を与えるの?外壁塗装の色見本の役割と問題点とは
外壁塗装の色選びによる失敗例
外壁塗装において、色選びは非常に重要ですが、しばしば失敗するケースがあります。
ここでは、色選びでの失敗例とその原因を詳しく説明します。
仕上がりのイメージが違った
サンプルやカタログで見た色と実際の建物に塗装した後の色が異なって見えることがあります。
これは、光の当たり方や周囲の環境によって色の印象が変わるためです。
このような失敗を防ぐためには、 実際の環境下での色見本を確認するか、小面積にテスト塗装をしてみることが重要です。
単色ベタ塗りで安っぽくなった
単色でのベタ塗りは、場合によっては安っぽい印象を与えることがあります。
特に大きな面積に単一の色を使用すると、その傾向が強まります。
この場合、アクセントカラーや異なる質感の塗料を部分的に使用することで、単調さを回避し、高級感を出すことが可能です。
汚れが目立つ
明るい色や特定の色は汚れが目立ちやすく、メンテナンスが頻繁に必要になります。
汚れを気にする場合は、汚れが目立ちにくい色を選ぶか、汚れに強い塗料を選択するのが良いでしょう。
また、定期的な清掃を心掛けることも大切です。
景観と調和していない
周囲の建物や自然環境と色が調和していないと、違和感が生じます。
周辺の風景や近隣の建物の色を考慮し、環境に溶け込む色を選ぶことが大切です。
経年劣化の予測をしていなかった
塗料は時間の経過と共に色褪せや変色を起こすことがありますが、これを事前に考慮しないと予期せぬ外観になることがあります。
耐候性の高い塗料を選ぶ、あるいは経年による変化を見越した色選びをすることが重要です。
また、色が変化しても自然に見える色を選ぶことも一つの方法です。
カラーシミュレーションにつながるプランニングのポイント
外壁塗装を考える場合、色を決めるためのプランニングが重要になります。どんなことに注意したらいいか整理してみましょう。
イメージの整理
業者の職人に塗ってもらいますが、イメージがまとまっていないとどのような色がいいのかうまく伝えられません。
試しに、自分の中にあるイメージを誰かに伝えてみてください。
その答えが自分のイメージと同じなら、整理できて伝わる状態です。もしも違ったものならば、もう一度整理してみましょう。
周辺状況の確認と把握
イメージが固まったら、周辺に建てられている家の外壁を見てみます。
自分たちの希望はあっても、周りとマッチしない色合いは、異質なものとして映る可能性が高まるからです。
大体の色合いを把握できたら、なじむ色なのか判断してみます。
例えば白の外壁塗装が多い地域に黒の外壁塗装をしたらどうでしょうか。確実に目立つ色合いになってしまいます。
逆に白のようにシンプルでベーシックなカラーなら、たいがいのところで使われているので異質には映りません。
カラーシミュレーションを使うと、どうしてもいろいろな色を使ってみたいという欲望にかられます。
色見本などでも同じです。実際にやってみたら浮いてしまう色合いだったとしても取り返しはつかないのです。
せっかくの外壁塗装があだとなり、住みにくい思いをするケースも出てきます。必ず周囲と比べてみて問題がないか確認しておきましょう。
景観ガイドライン
景観ガイドラインとは、都市の景観形成を目的としたガイドラインで、建物の形態や色を規制・誘導するために作られています。
つまり、都市景観形成のために、見た目をある程度揃えていこうという指針です。
屋根の形状や高さといったところも規制の対象で、外壁塗装も景観ガイドラインを守らなければいけません。
景観ガイドラインは自治体ごとに定められているため、外壁塗装を考えているなら事前に確認しておく必要があるでしょう。
ベースカラーとアソートカラー
外壁塗装の色は家の印象を決めることになります。最終的には住んでいる人の印象にもつながりますが、まずはベースカラーを設定します。
ベースカラーとは、建物全体のうち70%の面積を占める色です。最も広い面積を占める色を決めることで、家の基本的な雰囲気を作り出します。
アソートカラーはベースカラーに対する色です。
ベースカラーが精神的な色であることに対し、それ以外の部分がアソートカラーと考えると分かりやすいでしょう。
色のバランスがとても重要になるのが住宅の外壁です。アソートカラーはベースカラーを邪魔するような色であってはなりません。
ベースカラーを強調する色や補助する色であることが求められます。
アクセントカラー
アクセントカラーとは差し色と呼ばれる色のことです。
付帯部分だけ違う色を使うといった方法はアクセントカラーの上手い使い方と言えるでしょう。
全体の約5%未満にすることにより、個性を出してもベースカラーを潰すことはなくなります。
カラーシミュレーションに加えてやるべきこと
カラーシミュレーションは外壁塗装の色選びにおいて非常に役立つツールですが、それだけに頼るのではなく、以下の点を自分の目で確認することも大切です。
似た色で塗装された実際の家を見る
カラーシミュレーションと実際の塗装色とは、光の当たり方や周囲の環境によって見え方が異なる場合があります。
そのため、似た色で塗装された実際の家を見に行くことでイメージしやすくなるでしょう。
他の建物で同じ色を実際に見ることで、その色が実際にどのように見えるのか、自分の家にどのように映えるのか具体的なイメージを持つことができます。
施工中もこまめに色の確認をする
塗装が進行している間も、定期的に色を確認することが大切です。
特に、異なる時間帯や天候の下での色の見え方をチェックしましょう。
施工中に色の確認を行うことで、期待と異なる見え方をしている場合に早急に対応できます。
完全に塗装が終わる前に問題点を発見することで、修正の余地が生まれます。
まとめ
カラーシュミレーションを使って外壁塗装の色を決めるのはとても重要です。
後から後悔しないためにも、必ず試しておくべき方法になります。
住宅の外壁塗装の大事なポイントは、あまり複雑な色にしないことです。
カラーシュミレーションが使えるとどうしてもいろいろな色を試してみたくなります。
しかし最終的な住宅の色はシンプルな色を選ぶのがベストです。
住んでいる人のイメージを決めてしまうのも外壁塗装の特徴です。
複雑な色で迷い始めたら、まずは白を試してください。
白は住宅の外壁塗装の基本であり、最終的に行き着く色になることが多いからです。