外壁塗装の色見本とは?色見本を見るときの注意点や活用方法を紹介
最終更新 : 2024.09.07
外壁塗装の仕上がりを想定するために、色見本を活用するケースがあります。
言葉だけではどんな色なのか伝わりにくいからです。
ここで役立つのが色見本ですが、色見本は単なる色を集めたものではありません。
いろいろな役割をもち、メリットだけではなくデメリットもあります。
大事なことは、色見本をどのように使えばいいかを知ることです。
問題点や利用方法をきちんと理解できるように、色見本の活用方法をご紹介します。
Contents
外壁塗装の色見本とは?
外壁塗装で色見本とはどのような役割があるでしょうか?
色を決めるのは簡単ではないですよね。
でも、自分の言葉で希望の色を施工会社に伝えても、本当に理解してもらえているか不安があるはずです。
大事なポイントはイメージを作る過程にあります。
色見本から自分のイメージに近い色を選び、施工会社に伝えることができます。
しかし、イメージを伝えられるメリットがある代わりに、デメリットも出てきます。
本当にその色であっているのか、もしかしたらどこか違う色を選んでいるかもという可能性もあります。
塗ってみたら、色見本とは違って見えたということもあるのです。この辺りの判断が難しいポイントになります。
色見本はイメージを伝える面で大変便利ですが、それだけではうまくいきません。
あくまでもイメージの共有の一手段としてとらえることが大切です。
関連記事:【外壁塗装色の選び方】あなたの好みはなに色?ポイントを解説
外壁塗装の色見本の種類
色見本にはいくつかパターンがあり、それぞれに特徴があります。
特徴を覚えておくと、イメージを正確に伝えやすくなる可能性が高まるでしょう。
また、色見本を補完したり、違った使い方ができたりするものもあります。併せて利用することが大切です。
色見本帳
色見本帳は大きく分けてふたつあります。
メーカーが作成したものと、日本塗装工業会作成のものです。
厚紙などに塗料を塗ったものであることは変わりませんが、そもそもの考え方が異なります。
主とする部分の違いがあらわれてきますので、理解して利用しなければいけません。
メーカー作成
最も多くの人が目にするのは、塗料メーカーが作成している色見本になるでしょう。
自社製品を使って作成されたもので、カタログの一部的な使い方もします。
ここでポイントになるのが、塗料メーカーという存在です。
塗料メーカーは自社製品を使って色見本帳を作成します。
当たり前ですが、自社製品を販売したいからです。自社製品の紹介のためにも作られているという目的を覚えておかなければいけません。
メーカー作成の色見本の場合、すでにどのような塗料を使用するのか決まっている場合に適しています。
外壁塗装の機能によっては、使える色が限定される可能性があるのも理解しておきましょう。
塗料の色を調合する方法もあります。
色見本にないから調合してもらうことになりますが、イメージのまとまり方としても全く違うプロセスになるでしょう。
または近似色での対応になるケースが多くなります。
要注意なのは、カタログやパンフレットに掲載されているケースです。
つまり、印刷されたものであるという点に問題があります。
厚紙に塗装したものをいったん印刷用に取り込み、印刷インクで作っているため、紙もインクも種類が違います。
こうなると色は全く違うものになる可能性を考慮しなければいけません。
メーカー側でもわかっていることで、色見本と同じように厚紙に塗装したものを張り付けている場合もあります。
どちらなのかしっかり確認することが必要です。
日本塗装工業会作成
一般社団法人 日本塗装工業会が作成した色見本もあります。
一般社団法人 日本塗装工業会とは、社団法人として70年の歴史がある日本最大の塗装団体です。
メーカーとは違って業界団体なので、載せられている色は基本的なものとして使われることが多いです。
その理由が色番号にあります。
色見本帳には色番号が振られています。この番号を見れば、だれでも共通認識としてどの色かわかるようになっています。
日本塗装工業会の場合、色番号は日本のどこでも共通です。
つまり、番号を指定することで、どんな施工会社でもメーカーでも同じ色を使えます。
ただし塗料の性質上、わずかに違いが出ることは理解しておいてください。
実際に塗料メーカーが出していない色もあります。
色としてとことんこだわるのなら、日本塗装工業会の色見本がいいでしょう。日本塗装工業会のHPから個人で購入することもできます。
しかし、塗装会社が使っているメーカーで対応できるかが問題です。
中には色褪せしやすく、使いたくない色もあるかもしれません。
そもそも外壁塗装に向いていない色が含まれている可能性もあるのです。それを色見本から判断するのは難しいでしょう。
メーカーが対応できない色の場合、近似色を選ぶなどになります。
対応できないというケースよりも、その色を使うデメリットがあるケースのほうがほとんどのようです。
塗り板
色見本と近いものに塗り板と呼ばれるものがあります。
塗り板とは、使う色を絞り込んでから専用の板に塗料を塗ったもののことです。
仕上がりに近いものができあがるのがメリットで、イメージを固めやすくなります。
実際に塗装することで、下地の影響も判断しやすく、発色の部分もわかりやすいのがポイントです。
大きなサイズで作ってくれることもあり、影響の少ない方法といえるでしょう。
この塗り板をもって外に出て、外壁の横に置くだけでイメージが固まりやすくなります。
塗り板は塗装会社が作成するものとメーカーが作るものがありますが、基本的にはどちらも同じ色です。
ですが、実際の施工精度もわかるので、できるなら施工会社に作ってもらうほうがいいでしょう。
しかし、塗り板では全体像はわかりません。
狭い範囲では予想がつきますし、施工精度の感じもつかめますが、全体となると変わってしまうからです。
カラーシミュレーション
カラーシミュレーションとは、CGを使って家全体に塗ってみる方法です。
パソコンに画像を取り込んで描くので、全体像を把握するのに最も適しています。
色見本ではわからないバランスもはっきりするのでおすすめです。
これまでのカラーシミュレーションは、いろいろな問題を抱えていました。
たとえば色の精度です。
外壁塗装の塗料と印刷のインクの違いと同様に、同じ色が表現できませんでした。
色の変更に関しても、そこまで機能をもっていたわけではなかったのです。
画像の取り込みも粗く、うまく表現できないこともたくさんありました。
シンニッケンのカラーシミュレーションは、非常に高い精度で実現できます。
モニターによる発色の違いなどはありますが、非常に高いレベルのシミュレーションができるようになったのです。
色見本ではわからない全体像の把握が可能になったことで、発注者と施工業者でのイメージの共有が可能になりました。
色見本などと併せて使用することで、これまで以上にハイレベルな仕上がりを求められるのです。
外壁塗装の色見本を見るときの注意点
外壁塗装をするうえで、色見本はとても大事な存在です。
これは間違いありません。カラーシミュレーションなども利用することが大切ですが、色の効果を知らないと感じ方に差があることを理解できないかもしれないのです。
色は正確だけど、自分の目に違って映ることもあります。その理由を覚えておきましょう。
大きさによって色の見え方が変わる
色を判断するうえで大事なのが面積効果です。
面積によって色が変わることの事実を理解しておくと、色見本を含めた見方が変わります。
面積効果が起こる理由
面積効果とは、人間の網膜によっておこる色の違いを生み出す現象のことです。
人間の目の構造上、どうしても避けられません。
面積効果の基本として、面積が小さいと暗く感じるという現象が挙げられます。
後ほど解説しますが、色の三属性にも影響するポイントで、明度が低くなることが理由です。
逆に面積が大きくなると明るく感じます。それも面積効果のひとつです。
ここでわかることは、色見本は面積が小さく、どうしても暗く感じます。
暗い色はさらに暗くなるということを理解しなければいけません。
外壁塗装はもっと大きな面積になるため、思っている以上に変化を感じるからです。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。同じ色なのにおかしいですよね。
光を含め目のなかに色が映し出されることで、人間は色を感じることができます。
次に視細胞と呼ばれる部分が感知し、電気信号に変えて脳に伝えます。ここでのポイントは視細胞です。
目のなかでは配置がきれいに整っているわけではなく、映像を脳に伝えられない場所が存在します。
この構造が面積効果を生み出すのです。
距離や明るさの要素も面積効果と同様に、人間の色の感じ方に影響を与えます。
このような錯覚が起こるのが人間の目の構造です。
色見本など小さなものなら、最初から少し明るくするだけで補正できるんじゃないかと思いますよね。
しかし、人間の目の構造はすべてはっきりしているわけではありません。
電気信号として脳に伝わることはわかっていても、すべて解明されていないのです。
面積効果は個人差もあるので、色見本を加工するのではなく、面積効果を理解した上でカラーシミュレーションなどで補完するということになります。
屋内と屋外で色の見え方が変わる
色の見え方は屋内と屋外では大きく異なります。
例えば、蛍光灯の下で見る色見本と、太陽光の下で見る色見本では、色が異なって感じられることがよくあります。
特に外壁塗装の場合、実際に塗られるのは屋外ですので、最終的な色合いは屋外で確認することが重要です。
色選びの際には、必ず色見本を屋外に持ち出し、自然光の下で確認しましょう。
晴れた日だけでなく、曇りの日や雨の日にもチェックしておくと、色の変化をより正確にイメージでき、仕上がりに満足できるでしょう。
艶ありと艶なしで印象がかわる
艶の有無によって、同じ色でも外壁の印象が大きく変わるため、艶の具合も事前に確認することが重要です。
艶ありの塗料は光を反射し、外壁を明るく高級感のある印象にしますが、艶なしは落ち着いた雰囲気を演出します。
どちらを選ぶかは、好みや建物のデザイン、周囲の環境によって異なります。
色見本を選ぶ際には、通常の色だけでなく、艶ありと艶なしのバージョンも必ず確認しましょう。
実際の塗装でどのような印象になるかをしっかりと把握することで、後悔のない選択ができます。
関連記事:オシャレな外壁塗装!?押さえておきたいポイントをご紹介
外壁塗装の色見本を活用した色の選び方
外壁塗装は、家の印象を大きく左右する重要な要素です。
そのため、色選びには慎重さが求められます。
多くの人が「どの色にするべきか」と迷うことも少なくありませんが、色見本を活用することで理想の外観を実現するためのヒントを得ることができます。
色見本は、色選びのプロセスをサポートする強力なツールですが、正しい使い方を理解していないと、思った通りの仕上がりにならないこともあるため注意が必要です。
ここでは、色見本の効果的な活用法をはじめ、近隣の建物を参考にしたり、カラーシミュレーションや塗り板を使ってイメージを固めたりする方法について解説します
色見本はイメージを伝えるためのツール
外壁塗装の色を選ぶ際には、まず「自分の家をどんな雰囲気にしたいか?」をしっかりとイメージすることが大切です。
初めから「この色にしよう」と色番号を決める必要はなく、むしろ全体のイメージを描くことが重要です。
イメージが固まらないまま色見本を見ても、選択肢が多すぎて迷ってしまうかもしれません。
まずは、家の雰囲気やスタイルを考え、その後に「どの色系統が良いか?」「明るい色にするか、落ち着いた色にするか?」を順に決めていくとスムーズです。
さらに、外壁と屋根の色のバランスも考えることで、全体的にまとまりのある外観に仕上がります。
近所で理想の色に近い建物がないか探索する
色の系統や方向性が決まったら、近所で理想に近い色を使っている建物を探すのも良い方法です。
塗装業者からはあまり提案されないかもしれませんが、実際の仕上がりを確認するには非常に有効な手段です。
外壁塗装では、色見本だけで仕上がりを完全にイメージするのは難しいため、実際の建物を参考にすることが色選びの貴重なヒントになります。
実際に「あの家の色が理想に近い」と感じる建物があれば、その色を塗装業者に伝えてみましょう。
経験豊富な業者であれば、その色が何かを特定し、的確に提案してくれることが期待できます。
また、全く同じ色にする必要はなく、「あの家の色に近いけど、少し落ち着いた色にしたい」といった細かな要望も伝えることができます。
こうしたリクエストに対して、塗装業者は色見本を元に、あなたの理想に沿った最適な色を提案してくれるでしょう。
塗り板でイメージを固める
色のイメージが固まり、具体的にどの色にするかを絞り込めたら、次に「塗り板」を準備してもらいましょう。
塗り板とは、実際に使用する塗料で塗装されたサンプル板のことで、これを使うことで、外壁に塗った際の光の反射や艶、触感を実際に確認することができます。
塗り板は、塗料メーカーがサンプルとして塗装業者に提供していることもありますが、すべての色が揃っているとは限りません。
特に特殊な色やオリジナルの色を選んだ場合、塗装業者がその色の塗り板を持っていないこともあるため、その場合はメーカーから取り寄せるか、業者に新たに作成してもらう必要があります。
塗り板の準備には多少時間がかかる場合もあり、特に業者に作成してもらう場合には追加費用が発生することもありますので、事前に確認しておくことが大切です。
実際の仕上がりに近いイメージをつかむためにも、塗り板を使った確認は欠かせません。
カラーシミュレーションを活用する
最終的な外壁の色を決定する前に、塗装業者にカラーシミュレーションを依頼して、全体のイメージを掴むことをおすすめします。
カラーシミュレーションは、実際に塗装後の家の外観をデジタルで確認できる便利なツールです。
特に、外壁や屋根、玄関ドアなど複数の箇所を異なる色で塗り分けたい場合には、仕上がりのバランスを確認するのに役立ちます。
ただし、シミュレーションはあくまでも参考です。
パソコンやスマートフォンの画面上で表示される色は、実際の塗料の色とは異なることがあります。
モニターの設定や光の加減によって見え方が変わるため、実際の色と完全に一致するわけではありません。
最終判断は、塗り板や実際の色見本を確認してから行うのが安心です。
また、カラーシミュレーションを活用する際には、複数のパターンで比較することをおすすめします。
同じ色でも、異なる箇所や組み合わせ次第で印象が変わることがあるので、色の組み合わせによる全体のバランスを確認しましょう。
失敗しない色選びの3つポイント
外壁の色を選ぶ際には、家全体の調和を考えることが大切です。
例えば、屋根や玄関ドア、窓枠などの色とのバランスを意識する必要があります。
色見本を見ながら、それぞれのパーツがどのように調和するかを考え、統一感のある配色にすることで、家全体が美しく仕上がります。
この際、カラーシミュレーションを活用するのも効果的です。
シミュレーションを使えば、異なる箇所の色を複数のパターンで確認でき、全体のバランスを視覚的に掴むことができます。
近隣と馴染む色を選ぶ
家の外観は、周囲の環境とも調和させる必要があります。
近隣の建物とあまりにも違う色を選ぶと、違和感を感じさせる可能性があるため、近隣の家の外壁色を参考にするのが有効です。
色見本や塗り板を使って、周囲の家と馴染む色を選びましょう。
特に、塗り板を使って近くの建物の色と比較することで、実際に近しい色がどう見えるかを確認できます。
これにより、より適切な色選びが可能となります。
光の反射や見え方に注意する
色見本やカラーシミュレーションを使う際、光の反射や時間帯による色の見え方にも気を配ることが重要です。
特に外壁は日中の太陽光や夜間の照明で印象が変わるため、実際の光の下でどう見えるかを確認する必要があります。
この点で、塗り板を使用して外での見え方を確認することは不可欠です。
画面上のカラーシミュレーションや室内で見る色見本とは異なり、塗り板は実際の塗料を使っているため、実際の仕上がりに近い印象を得ることができます。
これらのポイントを押さえ、色見本や塗り板、カラーシミュレーションを効果的に活用すれば、理想の外壁色を選ぶことができるでしょう。
色選びに困ったらシンニッケンにご相談ください!
外壁塗装の色選びは、家の印象を大きく左右するため慎重に行いたいものです。
しかし、色見本を見ても決めきれない、塗り板で確認してもイメージがわかないといった悩みを抱えることもあります。
そんなときは、ぜひシンニッケンにご相談ください。
私たちは、豊富な経験と知識を活かして、最適な色選びをサポートいたします。
カラーシミュレーションや塗り板の提供など、お客様の理想の外観を実現するための様々なツールを用意しており、プロの視点から的確なアドバイスをいたします。
まとめ
外壁塗装にとって、色見本は大事なものです。だからこそ、どのように活用するかを考えなければいけません。
そして、外壁塗装はさまざまなところに影響を与えます。
生活環境にも大事な要素となるため、色見本だけでなく、カラーシミュレーションも活用して検討を重ねていくことが大切です。
シンニッケンでは、精度の高いカラーシミュレーションがあります。
シンニッケンのカラーシミュレーションを利用して、色見本と併せながらぴったりの外壁塗装色を見つけてみてはいかがでしょうか。