外壁塗装は何年ごとにやるべき?塗料や外壁材の種類ごとに解説
最終更新 : 2024.11.05
外壁は住宅の印象を左右するといっても過言ではありません。
遠目から見ればきれいな外壁も、実は塗装の一部が剥がれ落ちていたり、色あせが見られるケースも多くあります。
住宅の老朽化を防ぐためにも、外壁は定期的な塗り替えが必要ですが、外壁塗装は何年ごとに行えばよいのでしょうか。
今回は外壁に用いられる塗料や素材の違いなどに合わせて、塗り替えの目安をご紹介します。
Contents
外壁塗装を何年ごとにやるべき?
外壁は紫外線や風雨に晒されることで徐々に劣化していき、塗装にヒビが入ったり剥がれ落ちてきたりすることがあります。
そのため、建物を長持ちさせるためには定期的な塗り直しが必要ですが、さまざまな要因によって塗装の耐久性は変わってくるため、一概に「◯年ごとに塗装しなおすべき」といったことは断定できません。
外壁塗装の耐久性を左右する主な3つの要因をご紹介しましょう。
塗料の種類
外壁塗装に用いられる塗料には、主に以下の種類が存在します。
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- フッ素塗料
- 無機塗料
たとえば、アクリル塗料は安価でコストを大幅に抑えられますが、その一方で耐久年数が短く頻繁に塗り替えが必要です。
また、塗料には大きく分けて水性と油性のものがあり、一般的に油性のほうが耐久性に優れています。
以上のことから、現在の外壁に使用されている塗料の種類によっても塗り替えのタイミングは大きく変わってくるのです。
外壁材の種類
外壁の素材によっても耐久性は大きく変わってくることがあります。
たとえば、金属製の外壁であれば塗装のわずかな隙間やヒビから雨が侵入しサビが発生することも多いため、その時点で補修や塗り替えが必要になるでしょう。
また、タイルやレンガといった岩石系の素材の場合、紫外線によって脆くなり塗装の剥がれや劣化が起こりやすくなります。
地域の気象条件
外壁はつねに厳しい気候条件に晒されていることから、地域の環境によっても劣化のスピードは変わってきます。
たとえば、日照時間の多いエリアは紫外線の影響を受けやすかったり、沿岸部の住宅は潮風の影響でサビや腐食が進行しやすいといった傾向が見られます。
また、外壁が面している方角や周囲の環境によっても劣化の具合は変化するため、実際に外壁の状態を見たうえで塗り替えのタイミングを判断しなければなりません。
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塗料ごとの外壁塗装の推奨タイミング
上記でご紹介した要因のひとつである、塗料の種類によって塗り替えのタイミングはどう変わるのかをご紹介しましょう。
アクリル塗料:3~5年ごと
アクリル塗料はホームセンターやECサイトなどでも安価で販売されており、DIYでも手軽に利用できる塗料です。
しかし、耐久年数は3〜5年程度と短く、数年おきに塗り替えが必要になります。
また、紫外線に弱い性質もあるため、直射日光が当たりやすい場所ではさらに短い期間で塗り替えをしなければなりません。
ウレタン塗料:5~8年ごと
ウレタン塗料の場合、5〜8年が塗り替えのタイミングの目安となります。
アクリル塗料に比べるとわずかに耐久性は高いですが、コストも割高です。
また、紫外線や熱などによる劣化もしやすいことから、周辺環境によってはさらに短いタイミングで塗り替えが必要になる場合もあります。
シリコン塗料:8~10年ごと
シリコン塗料は比較的耐久性が高く、8〜10年ごとの塗り替えが推奨されます。
アクリル塗料やウレタン塗料とは異なり紫外線、熱などにも強い性質がある一方で、経年劣化とともに塗装面が硬くなりやすく、ひび割れが発生することもあります。
フッ素塗料:10~15年ごと
フッ素塗料は上位グレードに位置する外壁塗料のひとつで、耐久年数も10〜15年を誇ります。
その名の通り、塗装面にはフッ素による膜が形成されるため、紫外線などによる影響を抑えられ塗装の頻度も少なくて済みます。
ただし、アクリル塗料やウレタン塗料、シリコン塗料に比べるとコストが割高です。
無機塗料:15~20年ごと
無機塗料には有機物が一切含まれていないため塗装面の劣化を抑えられ、15〜20年程度の耐久性を誇ります。
塗料の中でも特に上位グレードに位置しているため、コストも高額です。
また、塗面は硬い膜が形成される分、ひび割れがしやすいデメリットもあるため外壁の位置や環境に合わせて慎重に選ぶ必要があるでしょう。
外壁材ごとの外壁塗装の推奨タイミング
外壁に使用されている素材によっても塗装のタイミングは変わってきます。代表的な素材と、推奨される塗装のタイミングをご紹介しましょう。
サイディング:7~10年ごと
サイディングとは、外壁を美しく仕上げるための板材のことです。
木材やセメント、金属などさまざまな素材のものがあり、建物の耐久性向上や断熱効果が得られるほか、高級感のある仕上がりも期待できます。
年数が経過しても外観上は大きな損傷や劣化は見られないことが多いですが、目地やサイディングボードのつなぎ目の部分から徐々に劣化してくることもあります。
そのため、外壁の状態にもよりますが7〜10年を目安に外壁の塗り直しが推奨されます。
モルタル:8~12年ごと
モルタルとは、砂とセメント、水を混合した素材です。
現在ではサイディングが主流となったこともあり、外壁にあまり使用されることはなくなりましたが、30年ほど前までの住宅には多く用いられてきました。
モルタルには目地がないためサイディングに比べるとわずかに耐久性が高いですが、それでも8〜12年程度のスパンで塗り直しが推奨されます。
タイル・レンガ:基本的に不要
タイルやレンガといった素材は有機物を含んでおらず紫外線による劣化がほとんどないため、メンテナンスの手間がありません。
また、塗料は剥がれ落ちてしまうことが多いため、あえて塗装はせずそのままの状態で施工するケースがほとんどです。
ただし、サイディングと同様に目地の部分は徐々に劣化していくこともあるため、10年程度のスパンで点検・メンテナンスを行うことが推奨されます。
ALCパネル:10~15年ごと
ALCパネルとは、珪石とセメント、生石灰、アルミ粉末を原料としたコンクリート建材です。
パネルの表面には無数の細かい穴が空いており、未塗装の状態では防水性が極めて低く湿気も吸収しやすい特性があります。
そのため、ALCパネルは塗装によって防水性を付加する必要があり、およそ10〜15年ごとに塗り替えることで外壁の耐久性が維持されます。
ガルバリウム鋼板:15~20年ごと
ガルバリウム鋼板とは、亜鉛やアルミニウムなどから作られる合板のことです。
外壁だけでなく屋根材としても使用されており、耐久性が高くデザイン性にも優れています。
サビや腐食に強い特性がありますが、紫外線や雨水などによって徐々に劣化してくることも多いため、外壁の場合は15〜20年程度を目安に塗り直す必要があります。
関連記事:外壁塗装の色選び完全ガイド|おすすめ・人気の色や失敗しないためのシミュレーションを紹介
外壁塗装を検討すべきサイン
長期間にわたって外壁のメンテナンスを怠っていると、外壁の内部で何らかの異常が発生することがあります。
このような場合、プロでなければ見極めが難しいことも多いため、定期的な点検が必要です。
今回は、外壁の状態が深刻化する前に現れることの多いサインや症状をいくつかご紹介しましょう。
色あせしてきたとき
紫外線や熱、雨水などが原因で塗装面が劣化し、色あせが見られることもあります。
色あせを放置しておくと、やがて塗装そのものが剥がれ落ちてくるケースもあるため、定期的な塗り直しが必要です。
チョーキング現象が見られたとき
チョーキングとは、塗装面にチョークの粉のような白い細かな粉末が付着する現象です。
外壁の表面を指でなぞったとき、細かい粉末が付着すると外壁が劣化しているサインであるため、塗装を検討すべきタイミングといえるでしょう。
クラック(ひび割れ)が生じたとき
塗装面に生じるひび割れをクラックとよびます。
ひび割れの状態は千差万別で、塗装の表面のみに生じている場合もあれば、外壁の内部から割れが生じているケースもあります。
クラックが見られたら放置せず、まずは専門業者に状態を見てもらい必要な補修を行うことが大切です。
黒ずみ・カビ・コケが生じたとき
外壁塗装が劣化し防水性や防湿性が失われた結果、表面に黒ずみやカビ、コケなどが付着することがあり、最悪の場合、内部にまで腐食が進行していることも考えられます。
外壁を塗り替えることで腐食の進行を抑えられる可能性もあるため、まずは専門業者に現在の状態を見てもらいましょう。
外壁塗装をしないとどうなる?
外壁の色あせや塗装の剥がれにより外観が悪くなったとしても、建物の安全性や快適性には影響がないと考え、そのまま放置する方も少なくありません。
しかし、適切なメンテナンスや補修を行わないままでいると、剥がれ落ちた塗装面からサビが徐々に拡大していき、雨漏りの発生や耐久性が失われることもあります。
また、初期の段階で軽微な劣化であれば塗装の塗り替えも少ない費用で済みますが、外壁にまでサビや腐食が見られると壁材そのものの貼り替えが必要になり、高額な費用が請求される可能性もあるでしょう。
そのため、外壁の劣化に気づいたら早いタイミングで点検や補修、外壁塗装を依頼することが大切です。
そろそろ外壁塗装の時期かも…?こんな時はシンニッケンまで
専門知識のない一般の方にとって、外壁の状態を正確に診断することは難しいものです。
そのため、住宅を長持ちさせるためには専門業者へ相談のうえ、こまめなメンテナンスを行うことが大切です。
シンニッケンでは1990年の創業以来、25万件以上の外壁塗装を手掛けてきた実績があります。
塗装と聞くと、単に色を塗り外装を整えるというイメージを持たれがちですが、シンニッケンでは外壁塗装を通じて「建物を守る」ことを最重要課題として考えています。
「外壁の色あせが気になる」「塗装の一部が剥がれ落ちてきた」「外壁の一部にヒビが現れるようになり不安を感じている」という方は、まずは一度シンニッケンまでお気軽にご相談ください。
お客様自身のニーズとご予算に応じて最適なご提案をさせていただきます。
関連記事:外壁塗装の塗料は何種類ある?選び方とおすすめの塗料ランキングを紹介
まとめ
外壁はつねに紫外線や風雨の影響を受けるため定期的な塗り替えが必要です。
しかし、塗料の種類や外壁の素材、地域ごとに異なる気候などによって塗り替えのタイミングは変わるため、まずは専門業者に現地調査をしてもらい現在の外壁の状態を見てもらいましょう。